これまで紙の世界では難しかった「情報にタグをつける」という整理法は、デジタル情報のメリットを存分に発揮してくれます。しかし、情報がふくれあがるにつれて、タグの整理が追いつかなくなることもあります。昔ながらのフォルダによる分類とタグづけを組み合わせ、さらに効率よく情報を取り出せるように整理してみましょう。

よくある問題:タグとエントリが多くなりすぎる

フォルダと違って、タグというものは便利なものです。データに複数属性を持たせることができるからです。この世のデータはそもそも、分類しようとするとどうしても複数属性にまたがらせざるを得ません。そこをたった一つのフォルダという属性だけで分類しようとすると、どうしてもムリが出てしまいます。

が、タグ付けというのはやってみると難しいものです。最大の問題は、数が多くなりすぎること。私たちはおそらく、タグ付けするに当たって、連想記憶というものに頼ります。

たとえばこの記事をブックマークしてくれる方でしたら、「情報整理」とか「情報整理術」といったところを思い浮かべる方も多いと思いますが、同時に「マイコミ」とか「面白そう」とか「使えない」といったタグをつけるかもしれません。

こうするうちにタグの数が数百に至ってしまう方もしばしばみられます。「マイコミ」というタグをつけたとして、他のマイコミオンラインさんの中の記事すべてに「マイコミ」とつけることを思い出せるかどうかはわかりません。また「面白そう」というタグに、整合性や一貫性を持たせるのは、なかなか大変です。「面白そう」な記事なのか、「面白そう」な遊びなのか、「面白そう」な観光地なのか、情報のタグだけをみても、どんなものか不明なので、タグクリックして見返すまで中身はわかりません。しかし、タグは「思い出したとき」にしか利用しないもののため、「面白そうな何かを、自分の情報源から見つけ出したい」という衝動を覚えたときでなければ、そのタグをクリックする機会に恵まれない、ということになります。

ライフハック:「フォルダ」+「タグ」を徹底活用する

以前このコラムで紹介した、EVERNOTEの使い方に関することなのですが、EVERNOTEもまた、「タグ」で情報を管理するためのソフトです。ツボを突いた機能に絞られていて、もう手放せなくなっているソフトなのですが、やはりタグの数が増えすぎて管理が難しくなるという問題に悩んでいました。

そんなときにふと、プロジェクトに近いと認識しているタグは、すべて「ノートブック」で管理したらいいのではないか、と思いました。

赤枠で囲んだところがノートブック。すぐ下がタグ一覧リスト

こうした使い方においては、タグがGmailにおけるスターだとすれば、ノートブックは一般的なフォルダに当たります。つまり、1つの情報カードには複数のタグがつけられますが、1つの「ノートブック」にしか入れられないわけです。

これはあくまでも、いわば概念的なものでしかありません。私には「ノートブック」が「引き出し」のように感じられているのですが、それはそこに「入れる」という感覚があるからです。しかしデジタルなのですから、このような感覚は、所詮仮想的なものでしかありません。

しかし、「そこに入れる」という感覚があると、そこから「取り出す」操作がアタマの中で成立します。「タグ」ですと、他のタグをつけても元のタグは外れませんが、「ノートブック」はフォルダと同じですから、1つの「ノートブック」から他の「ノートブック」へと移すと、元の「ノートブック」からはなくなるのです。この操作は直感的なため、「その箱が空になったら、その仕事は終わり」というような意識をはっきり持つことができます。

このように明確に意識しておけると、操作するときに迷わずに済みます。たとえば、このコラムの「ノートブック」である「情報整理ハック」には、いろいろな情報が入っています。それらを「タグ」で分類するわけです。「ネタ」なのか「使用済み」なのか「下書き」なのか「メモ」なのかというわけです。

便利なのは、「ネタ」とか「使用済み」とか「下書き」というタグは、他の「ノートブック」でも全く同じような概念的意味を持ちます。したがって、タグの意味が非常にわかりやすくなるわけです。

「情報整理ハック」は11データあるが、その中の「ネタ」というタグがついたデータは1件しかない

「マインドハックス」という私のブログに関するデータは15件あって、その中の「ネタ」タグがつくデータは3件

このように、「フォルダ」+「タグ」で情報を探していくやり方は、大変に扱いやすいと認識しました。複数のタグ検索を使って絞り込んでいくよりも、よほど直感的につかみやすいのです。

また、情報の取り込み時の迷いが減ります。タグを「つける」のではなく、新しいデータを「ノートブック」に「放り込む」方法のほうが、慣れの問題もあるでしょうが迷わずに済みます。

まとめ

将来的には、原稿の下書きもEVERNOTEでやりたくなってきています。そうすれば「下書き」というタグを増やすだけで、ほぼすべてのファイルを一元管理できるようになるわけです。 いまはまだエディタ部分が貧弱なため、たとえば文字数をすぐにはっきりさせられないことなどもあり、原稿執筆などには向きませんが、もしそうした用途にも使えるようになれば、作業管理場と情報収集の場を、一元的にまとめることができるようになるため、いまよりも飛躍的に便利になるでしょう。