登場以降高い人気を博すようになった、Google Workspaceのリサーチアシスタントツール「NotebookLM」。それゆえ最近では、グーグルのスマートフォン「Pixel」シリーズの最新モデル「Pixel 10」にNotebookLMのアプリがプリインストールされ、Pixelシリーズの文字起こしができる「レコーダー」と連携する仕組みも導入される予定であるなど、利活用の範囲も大きく広がってきています。「Google Workspaceをビジネスで活用する」の過去回はこちらを参照。

それだけに、NotebookLMをより便利に利用するための機能強化も進んでおり、中でも強化されているのが「Studio」タブでしょう。

Studioタブでは、NotebookLMに登録したソースを基に概要資料やマインドマップ、さらにはポッドキャスト風の音声で内容を解説する「音声解説」を作成でき、簡単な操作で用意した資料を誰でも理解しやすい形でまとめてくれることは、これまでにも紹介してきた通りです。

しかし、その後Studioタブにはより多くの機能が追加されており、その1つとなるのが「動画解説」です。これは音声解説の動画版というべきもので、男女によるトークの掛け合いはありませんが、その代わりに「動画」と付いている通り、資料の内容が分かるスライドを自動作成します。ナレーションの音声と一緒に伝えてくれることから、視覚的に資料の概要を確認しやすくなっています。

「Studio」タブで「動画解説」を作成

動画解説の作成は非常に簡単で、Studioタブに新たに追加された「動画解説」のボタンを押すだけです。ただし動画生成には時間がかかり、用意する資料にもよりますが、筆者が何度か試してみた限りでは10分前後の時間がかかる印象です。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第121回

    動画解説を生成するには、「Studio」タブの中に追加された「動画解説」ボタンを押す

もっとも動画生成時もNotebookLMの他の機能は利用できるので、動画解説の生成と並行してNotebookLMを使い、仕事をすることは可能なので安心して下さい。なお生成が終了すると、下部に生成された動画が現れるので、再生したい場合はそちらをクリックします。

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    動画が生成された後は、その動画を選ぶことで内容を再生できる

動画が表示されるので、後は再生ボタンを押して再生すれば、動画を視聴し内容を確認できます。動画の再生や停止、速度の調整などコントロールは下部のボタンでできるほか、右上のボタンを使えば動画の共有や、MP4形式による動画のダウンロードも可能です。

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    解説動画を再生しているところ。再生のコントールは下部のボタン(1)で、動画の共有やダウンロードは右上のボタン(2)で可能だ

ちなみに動画も音声概要と同様にカスタマイズが可能で、プロンプトで指示することにより、資料の中の特定の分野や情報にフォーカスした動画を生成することができます。カスタマイズをするには、まず動画解説ボタンの右上にあるボタンをクリックします。

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    動画解説のカスタマイズをするには、動画解説ボタンの右上にあるボタンをクリックする

カスタマイズ画面が現れるので、「AIホストが焦点を当てるべき内容」にプロンプトを入力してから「生成」ボタンを押すことで、その内容に応じた動画を生成してくれます。ちなみにナレーション音声は男女のいずれかがランダムで選ばれるようですが、どちらかの音声を選ぶ設定は現在のところ用意されていません。

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    続いて「AIホストが焦点を当てるべき内容」(1)にカスタマイズしたい内容を入力し、「生成」ボタン(2)を押す

「Studio」タブに追加されたそのほかの機能

他にもStudioタブには新たに追加された機能がいくつかあり、1つは「フラッシュカード」です。これは資料を基にした単語帳のようなQ&Aを生成してくれる機能。生成すると質問が記述されたカードが表示され、「回答を表示」をクリックするとその回答が表示される仕組みであることから、試験などの学習用途として活用するのがベストといえます。

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    学習用の単語帳に類するカードを作成できる「フラッシュカード」。「回答を表示」をクリックすると質問の回答を確認できるので、学習用に活用すると便利だ

また、以前紹介した「概要説明資料」「学習ガイド」などは「レポート」というボタンに集約されています。

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    「概要説明資料」「学習ガイド」などは「レポート」にまとめられ、新たに「ブログ投稿」が追加されたほか、資料の内容に応じたレポートのテンプレートを自動的に作成してくれるようになった

レポートには新たに、文章として読みやすいレポートを生成してくれる「ブログ投稿」が追加されたほか、資料を基にしたお勧めのレポートのテンプレートを提案してくれる機能も用意。

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    ブログ投稿を用いてレポートを生成したところ。概要説明資料と比べ、資料というより文章として読みやすい内容にまとめられているた

これらを上手く活用すれば、必要なレポートをより素早く簡単にまとめ上げることができるのではないでしょうか。