「Gemini」で大幅な強化が進むGoogle Workspace
ここ最近多くの解説をしているように、グーグルのAI「Gemini」によってGoogle Workspaceは大幅な機能強化が進んでいます。ですがそのベースとなっている、チャットツールのGeminiも機能強化が進んでおり、中でも大きな進化となるのが「Deep Research」です。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。
その名前の通り、Geminiでより深掘りした調査や分析、考察などができる機能。これまで通りGeminiにプロンプトを入力して結果を得るのと比べ、結果を得るのにかかる時間は長くなってしまいますが、その分より多くの資料などを参考にし、テーマに沿ってより深く分析や推論などをして詳細なレポートを作成してくれます。
なお、Deep ResearchはGoogle Workspaceすべてのエディションで利用可能なことから、お試しで使ってみることももちろん可能です。
ただ、無料版とBusiness Starterの利用者は月当たりの利用回数に制限があることから、利用頻度が多くなるようであれば、無料版の利用者は「Google One」の「AIプレミアム」プラン(月額2900円)を利用する、Business Starter利用者はBusiness Standard以上へのアップグレードを検討するのがよいでしょう。
“深掘り”と聞くと複雑な操作が必要なDeep Researchですが、その利用に難しいことはなく、Geminiのチャット画面から通常通り、深掘りしたい内容についてプロンプトを入力するだけです。その際、プロンプトの下にある「Deep Research」のボタンをクリックしてオンにしておけば、プロンプトの内容に従ってDeep Researchによる深掘りをしてくれます。
プロンプトを送ると、Geminiが下の画像のように、どのようなリサーチをするかという計画を示してくれます。その内容に問題がなければ「リサーチを開始」をクリックしましょう。
Geminiがリサーチを開始し、その間のプロセスを画面上に表示してくれます。結果が出るまでには、内容にもよりますがおおむね数分程度かかることから、他の作業をするなどしてしばらく待ちましょう。
結果を利活用するには他のツールで利用できるようエクスポート
リサーチが完了すると、Geminiがその結果をレポーにまとめて出力してくれます。ただ通常のGeminiの結果と比べればかなり長いので、結果を利活用するには他のツールなどで利用できるよう、エクスポートするのがいいでしょう。
なかでも最も手軽なのは「Googleドキュメント」への出力です。画面右上の「エクスポート」をクリックした後、「Googleドキュメントにエクスポート」を選択して下さい。
Googleドキュメントにレポートが出力されるので、後は内容を追加修正したり、内容をじっくり読んだり、PDFファイルにして他の人と共有したり……とさまざまな活用が可能です。
より視覚や聴覚で分かりやすく内容を把握したいのであれば、エクスポートボタンの隣にある「作成」ボタンを利用しましょう。これを使えば作成したレポートをインフォグラフィックや音声概要などにまとめられるので、内容をざっくり把握したいといった場合にとても便利です。
例としてインフォグラフィックを作成するケースを挙げますと、作成ボタンを押した後に「インフォグラフィック」を選ぶだけです。
作成にはやはり数分程度時間がかかりますが、しばらく待つだけでレポート内容を視覚的にわかりやすいインフォグラフィックにしてくれるので非常に便利です。
このように、Deep Researchは結果を得るのに時間がかかる弱点こそあるものの、通常のGeminiとは段違いの詳細なレポートを作成してくれるだけに、上手く活用すればこれまで調査や分析にかけていた時間を大幅に削減できるのではないでしょうか。単なるレポートの作成だけでなく、事業計画の立案などをする際にも大いに活用したいところです。