今回は前回に続いて、フィルタ機能をより便利に活用する方法について解説していきましょう。前回、送信者(from)や受信者(to)のメールアドレスなどでメールを分類できることを説明しました。しかし、これだけでは同報(cc)でメールを分類できないのでは? と思った人も多いのではないでしょうか。

確かにGmailのフィルタの分類項目にはccがないので、そのままでは「○○さんにもccされているメール」をフィルタで分類することはできません。しかし、実はGmailでもccでメールを分類すること自体は可能です。ただ、それにはテクニックが必要になりますので、その方法について説明しましょう。

まずは、前回の操作を基にフィルタの作成画面を開きます。続いて「含む」の項目に「cc:」と入力した後に、分類したいメールアドレスを入力し「この検索条件でフィルタを作成」をクリックすれば、ccによる分類ができるようになるのです。

同報(cc)のメールアドレスでメールをフィルタするには、「含む」の項目に「cc:」と入力した後にメールアドレスを入力し、フィルタを作成する

この方法は、フィルタ機能がGmailの検索機能を活用していることを生かした応用技です。実はGmailの検索ボックスに「cc:メールアドレス」と入力すると、指定したメールアドレスに同報されているメールを検索することができます。そこで「含む」にこの内容を入力することにより、同報メールを分類できるようになるわけです。

同様に「含む」の項目に、さまざまなコマンドやキーワードを指定するという技を使えば、より高度な分類方法の指定も可能になります。しかしながら、それには複雑なコマンドを覚える必要があるなど、初心者がフル活用するにはハードルが高いものとなってしまいます。まずは、よく利用するであろう、ccによる分類方法をしっかり覚えておいてください。

続いて、フィルタしたメールの処理方法について解説しましょう。前回までは、フィルタで分類したメールにラベルを付与する方法を説明してきましたが、実はフィルタしたメールには、ラベルを付与するだけでなく、さまざまな処理(アクション)を設定することが可能なのです。

フィルタ作成後に現れるアクションの選択画面

具体的なアクションを上記画像の番号に合わせて説明すると、以下のようになります。

(1)受信トレイに入れない(アーカイブする)
(2)既読にする
(3)スターを付与する
(4)ラベルを付与する
(5)他のメールアドレスに転送する
(6)直接削除する
(7)迷惑メールに分類されていたら、しないようにする
(8)重要マークを付けるようにする
(9)重要マークを付けない
(10)Gmail標準のカテゴリタブに分類する

これらを見れば分かる通り、アクションの指定によって、フィルタで分類したメールを読んだことにしてしまったり、直接アーカイブしたり、はたまた削除したりすることも可能なわけです。しかも、これらのアクションは複数指定できることから、組み合わせることでより幅広い処理を施すことが可能です。

例えば「○○さんからのメールはラベルを付けて分類したいけれど、受信トレイには表示したくない」という場合は、(1)と(4)のアクションを選んでチェックを付けます。

フィルタしたメールを「ラベルを付与して受信トレイに残さない」ようにするには、(1)と(4)のアクションを選んでチェックボックスをクリックする

また「××さんからのメールは、既読にして別のアドレスに転送したい」という場合は、(2)と(5)を組み合わせればよいので、それぞれの項目をクリックしてチェックを付ければよいわけです。

フィルタしたメールを「既読にして他のメールアドレスに転送する」には、(2)と(5)のアクションを選択。あらかじめメールの転送先を設定しておくのを忘れないように

なお、これらのアクションを単に設定しただけでは、今後送られてくるメールにはフィルタで処理がなされるものの、既存のメールは処理されず、そのままの状態で残ってしまいます。既存のメールにも処理を適用したい場合は「××件の一致するスレッドにもフィルタを適用する」をチェックしてから「フィルタを作成」をクリックして下さい。

指定したフィルタとアクションを既存のメールにも適用したい場合は、フィルタの作成前に囲んだ部分をクリックしてチェックしておく

アクションは非常に便利な一方、メールを自動的に削除できてしまったりするなど、非常に強力な処理も可能なことから、後で混乱したり、後悔したりしないよう十分注意して設定する必要があります。まずはラベルの分類から始め、徐々に活用の範囲を広げていくとよいのではないでしょうか。

次回はアクションの(7)~(10)で触れた「迷惑メール」「重要マーク」「カテゴリ」など、Gmail標準で用意されているメール分類機能について説明したいと思います。