Excelで完成したファイルを保存する際、注意しなくてはならない事項がいくつかあります。まず1点目はファイルの互換性です。Excelのファイルを顧客あるいは自宅の自分のマシンなどとやり取りする場合、先方のファイルがExcel2003以前を使用している場合には、ファイルの保存形式を「Excel97-2003ブック」、拡張子「.xls」で保存します。

Excel 2003のMicrosoftにおけるサポート期限は2014年3月31日までとなりますので、多くの企業ではその期日までにExcelのバージョンを更新することが考えれますが、それまではまだ、Excelのバージョンが2003である可能性は高いと思われます。やり取りする相手のマシンのExcelが2007以降の場合には、「Excelブック」、拡張子「.xlsx」を選択します。

Excel2013のファイル保存形式

「Excel97-2003ブック」形式で保存したファイルは、Excel2013の新機能がすべて表示されるわけではありません。例えば、SmartArtなどは編集できない図の形で表示されてしまいます。ビジネスにおいて、送付したファイルが不完全であるというのは、あまり良いことではありません。

送付前にファイルが正常に表示されるか確認するには、送付するファイルが互換性を保っているかを確認する「互換性チェック」を使用します。このチェックでは、潜在的な互換性の問題を見つけて、その解決に役立つレポートを作成できます。「互換性チェック」は、[ファイル]をクリックすると表示される[情報]-[ブックの検査]-[互換性チェック]で実行可能です。

[ブックの検査]-[互換性チェック]

[表示するバージョンを選択]し[OK]をクリック

結果は、[互換性チェック]画面の[概要]に表示されます。「機能の大幅な損失」「再現性の低下」等の分類に分けて表示されます。この[互換性チェック]はあくまでも確認のためのものですので、修正はされませんので注意が必要です。修正する場合には、新機能を使用しないように修正を行います。

[互換性チェック]の概要

互換性の他に注意すべき事項はファイルの保存形式です。Excel2013には、Excelマクロ有効ブック、拡張子「.xlsm」(ExcelブックにVBAマクロコードを加えて保存、VBAマクロコードや Excel 4.0マクロシート、拡張子「.xlm」を保存)。Excelバイナリブック、拡張子「xlsb」(バイナリファイル形式(BIFF12)で保存、データの読み込みと保存が高速なファイル形式でXML形式ではない)等があります。

マクロ等を作成したファイルを、Excelブック形式で保存しようとすると、確認ダイアログボックスが表示されます。この際、「マクロなしのブックとして保存する場合には、[はい]をクリックしてください。」というメッセージに[はい]を選んだ場合には、マクロが削除された形でブックは保存されてしまいますので、注意が必要です。

マクロを作成したブック

Excelブック形式で保存しようとすると表示されるメッセ―ジ

マクロを削除しますというメッセージは表示されないため、マクロも保存されたとおもって、次に起動してマクロを実行しようとしたところ、必死に作成したマクロが削除されていたということがないように注意しましょう。

削除されてしまったマクロ

マクロを含めて保存する場合には「マクロ有効ブック」を選択

次回は、取引先企業に送付前にやっておくべき個人情報の削除やパスワードを設定する方法について説明します。