前回までは、新しい開発の立ち上げに焦点を当ててお伝えしました。今回は異なる視点から、非開発部署メンバーの「ITへの情報感度強化」の重要性をお伝えしたいと思います。

なぜ、非開発部署メンバーにITへの情報感度が必要なのか?

「ITリテラシー」と言うと、情報基礎リテラシーやネットワークリテラシーなどの技術的なスキルや知識を思い浮かべる方も多いでしょう。確かに、それらは重要であり、関連する資格の取得支援を開発組織以外にも広げていくことには価値があります。しかし、今回取り上げたいのは非開発部署メンバーの「ITへの情報感度強化」です。これは、新しい技術トレンドやツールの出現、変化するユーザーニーズに迅速に対応するための感度を高めることを意味します。

ではなぜ、開発組織の立ち上げにおいて、非開発部署メンバーの情報感度を強化する必要があるのでしょうか。「立ち上げたばかりの開発組織が他部署からどう見えるのか」というところから考えてみましょう。

開発組織というのは、その性質上、他の部署から見るとミステリアスな存在となりがちです。私の所属していた組織でも、以下のようなイメージの変遷を経験しました。

  • 初期段階:エンジニアは難解な言葉を使う、分かりづらい存在
  • 中期段階:ITの問題やリクエストを解決してくれる「魔法使い」のような存在
  • 発展段階:ビジネスと密接に連携し、企業の成長を支える専門家
  • この変遷は、他部署とのコミュニケーションや共同プロジェクトを通じて、徐々に理解と信頼が深まる過程を示したものでもあります。具体的には以下のような状態です。

    初期段階

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