Clairefontaineといえば定番のノート「マトリス」

クリエイターにとって欠かせないアイテム、文房具。そのなかでも、もっとも使用頻度の高いものといえばやはりノートだろう。ふっと思い浮かんだアイディアやラフをスケッチしたり、打ち合わせの席で重要事項を書き留めたり、さまざまなシーンで登場する。だからこそ、ノートはクオリティーとデザイン性を兼ね備えたベストな1冊を選びたいところ。そこで、今回はLAMYの万年筆に続き、フランスで老若男女を問わず、50年以上にわたって愛用され続けている「Clairefontaine(クレールフォンテーヌ)」のノートを紹介しよう。

ニーズを満たす「Clairefontaine」のクオリティ

まっさらなノートを開くとき、心が妙にふわふわと浮き立ったり、何か新しいことが始まりそうな淡い期待が広がったりするもの。しかし、そんな明るいスタートを切ったにもかかわらず、最終ページまで到達することなく、デスクの肥やしとなることも多いのがノートだったりする。リタイアするか、完走するか、ノートの運命を分けるポイントはふたつあるのではないか。

ひとつは、やはり紙質。ペン先が引っかからず、さりとてすべり過ぎることなく、インクがにじまず、裏うつりしないほどよい厚さ。紙質が悪いと、いくらデザインが気に入っていたとしても自然にペンが遠のいてしまうもの。

ふたつ目が、サイズの問題。まずは、持ったときにしっくりと手になじむかどうか。そして、用途はもちろん、ファイルや手帳など一緒に持つ文房具とのサイズの相性があっているか。つまり、合ったものを選べるだけの豊富なサイズ展開があるかが重要になる。この低いようで意外に高い二つのポイントに加えて、フレンチテイストの洗練されたデザイン性も兼ね備えた1冊がClairefontaineのノートなのだ。

Clairefontaineの変遷を見ると、カラフルなカラーパターンとロゴマークだけで見せる一貫したデザインが踏襲されていることがわかる

フランスを代表する総合紙製品ブランド「Clairefontaine」の歴史

Clairefontaineは、水資源と森林に恵まれ古くから製紙業の町として知られるフランス北東部の町、エティバルで1858年に創業された。創業以来、製紙業に専念してきた同社だったが、1951年に初めて自社の紙を使ったノートを製造する。上質な「ベラム紙」で作ったカラフルな表紙のノートは、そのクオリティの高さから瞬く間にニーズを広げ、以来50年以上変わらずに、逆三角形のロゴとともに、小学生からビジネスマンまで誰もが使うフランスを代表するブランドであり続けている。

このベラム紙は、一度使うとちょっとクセになってしまうほどに書き味がいい。ほどよく張りと厚みがあり、表面はすべすべしているので鉛筆もボールペンも滑らかに進んでいく。厚みがあるので、インクがにじんだり、透けてしまったりする心配もない。また、真っ白なのにまぶしくなく、淡い青紫色で印刷された横罫も主張しすぎることなく、上品な印象を演出している。このようなディティールの美しさが、長く愛され続けるゆえんだろう。

カラフルな表紙が目印。定番シリーズ「マトリス」

定番ノート「マトリス」シリーズは、フレンチテイストのカラフルな表紙デザインが特徴で、サイズはA4から小さなメモパッドまでバリエーション豊富だ。ダブルリングとホチキス留めがあり、どちらを選ぶかはまったく好みの問題だが、個人的にはホチキス留めに1票。それほど大きくはないホチキス針で2箇所を留めているだけなのに、手の腹でページをギュッと押し開いても、表紙をぐるっと裏返して持っても、こんなハードな使用に耐えて最後まで留めが甘くなることがないのだ。実にタフ。

「マトリス」ホチキス留ノート

定番の「マトリス」シリーズ。王道のA4ノートから、7.5×10.5cmサイズのブロックメモ、インデックス付きノートまでさまざまな用途に合わせたサイズがそろう。ホチキス留めノート630円(A4サイズ)

サイズは携帯用としてなら、よくあるようで他のブランドではあまり見ない11×17cmが使いやすい。ペンを握った手がすっぽりはまるぐらい。マトリスシリーズの表紙は、それほど厚くはないのにほどよい硬さがあり、立って書く場合にもきちんと手を固定できるのがいい。このサイズは携帯しやすくて、かつ書きやすい。クリエイターはちょっとしたミーティングや撮影現場、取材先などで、不意にメモを取らなくてはいけないことも多いので、毎日の持ち物に1冊忍ばせておくと便利だ。

「マトリス」ダブルリングノート

ホチキス留め、ダブルリングともにレイアウトは横罫と5mm方眼の2種類、カラーは最大14種類から選べる。ダブルリングノート840円(A4サイズ)

このように品質もデザイン性も高いClairefontaineのノートだが、国産ブランドに比べると、消耗品としてはやや割高感を感じるかもしれない。でも、一度使ってみるとそんなことも忘れてしまうはず。それほどにClairefontaineのクオリティは高く、それは“かく”ことの多いクリエイターには魅力的なのだ。

「メトリック」

時代に合わせてモデルチェンジを重ねてきたClairefontaine。ノートとしてのクオリティとデザイン性はそのままにマトリスから新たな定番として生まれた「メトリック」。サイズは17×22cm、320円

その他のアイテム

Clairefontaineでは、定番のノートほかにも、便箋や封筒、ラッピングペーパー、スクラップブックなどさまざまな紙製品も製造している。ここでは、それらのなかからオススメのアイテムを紹介しよう。

「クラフトペーパーパッド」

クラフトペーパーをダブルリングで綴じてアルバムやスクラップ帳、デッサン帳として幅広く使える「クラフトペーパーパッド」1,260円(A6サイズ)

「ポストカードブック」

ハガキサイズの水彩画用紙と封筒を閉じたブックレット「ポストカードブック」2,100円。封筒20枚でカードのサイズは11×15,5cm。するっと切り離せる。旅行にはこれを持って、旅先から手紙を出してみては?

「トラベルアルバム」

横罫ノートと台紙が交互にリングで綴じられている「トラベルブック」。台紙に写真を貼って、品の良いフォトアルバムが作成できる。14.8×21cmで1,050円