さて、美少女フィギュアの造形を進行中です。造形が済んだ部分全体にエナメルシンナーを塗り、焼き固めます。今回はオーブンでなく、前回の記事で紹介したストーブで焼いてみます。

ストーブの近くで焼く。くれぐれも火事には注意

この方法は、造形物が大き過ぎてオーブンに入りきらない時によく使われます。弱点は、オーブンのようにムラなく火が通るのではなく、赤外線が当たった部分だけ焼けるということです。影になる部分には、火が通りません。今回の造形では、内腿から股にかけてが焼け難いのです。

ツヤ消しになっているのが焼けた部分で、ツヤ有り部分は焼けていません

画像だけでは、やや分かりにくいですが、左脚は焼け、右脚は生のままです。この場合、頃合を見て、火に当たる方向を変えれば、特に問題はありません。それでも、火が回らない部分は、ヒートガンまたはドライヤーで加熱します。また、造形物をオーブンに入る大きさに分割するという方法もあります。加熱後、左足を造形していきます。

こうして両足が完成

今回はここまでです。ちなみに下半身の造形開始からここまでの作業時間は、なんと8時間! 造形は、とにかく時間がかかります。次回も、美少女フィギュア完成に向け、ゆっくりですが造形を進めていきたいと思います。

安藤賢司
バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高めた。『S.I.C』シリーズ最新作の原型を常に製作中。某ゲームのキャラクターデザインもやってます

ついに美少女フィギュアの下半身完成! 次回も神レベルの技を安藤が披露