第7回と第8回の連載では、Chromeの「ホーム画面」をカスタマイズする拡張機能を紹介した。この機能をさらに進化させて、より自由度の高いホーム画面を作成できる拡張機能もある。今回は、その一例として、ウィジェットを自由に配置できる「Dashy New Tab Dashboard and Side Panel」の機能と使い方を紹介していこう。
「Dashy New Tab Dashboard and Side Panel」の追加手順
「Dashy New Tab Dashboard and Side Panel」の紹介ページによると、ホーム画面に時計や電卓、ニュース、天気、リマインダー、ToDoリストなどのウィジェットを自由に配置でき、さらにホーム画面をサイドバーとしても活用できる、と紹介されている。
ということで、さっそくChromeに追加してみよう。拡張機能の追加手順はいつもと同じ。画面の右上にある「Chromeに追加」をクリックし、その後、「拡張機能を追加」ボタンをクリックすればよい。
「Dashy New Tab Dashboard and Side Panel」という名称は少し長すぎるので、以降は単に「Dashy」と省略して解説を進めていこう。
拡張機能の追加が完了すると、「Dashy」のアカウント登録(ログイン)に関する画面が表示される。このアカウントは、Googleなどのアカウントと紐付けて登録する仕組みになっている。アカウントを登録せずに、ログアウト状態のまま「Dashy」を使用することも可能だ。この場合は「Skip login and continue」をクリックすればよい。
続いて「Dashy」の機能を紹介する画面が表示されるので、「What's next →」をクリックして内容を確認していく。
機能紹介の確認が終わると、「Dashy」によりカスタマイズされたホーム画面が表示される。
以上で拡張機能の追加は完了。さっそく、「Dashy」の使い方を紹介していこう。
ホーム画面にウィジェットを配置
まずは、ホーム画面にウィジェットを配置する方法から解説していこう。最初から配置されているウィジェットは、とりあえず削除してしまって構わない。この操作は、ウィジェットを右クリックして「Close」を選択すると実行できる。
同様の手順で、自分で配置したウィジェットを削除することも可能だ。続いて、ホーム画面にウィジェットを追加するときの操作手順を紹介していこう。以下の図に示したアイコンをクリックし、好きなウィジェットを選択する。
すると、選択したウィジェットがホーム画面に追加される。以下の図は「Clock」(時計)のウィジェットを追加した例だ。このウィジェット内にマウスを移動し、「斜め矢印」のアイコンをクリックすると……、
ウィジェットを拡張表示できる。「Clock」の場合は、以下の図のように“時計の表示方法”を設定する画面が表示された。ここで時計の表示方法を“アナログ”に切り替えることも可能だ。
同様の手順を繰り返して、各自の好きなウィジェットをホーム画面に追加していく。もちろん、ウィジェットの配置を後から変更することも可能だ。この場合は、ウィジェットをドラッグして好きな位置へ移動すればよい。
このように、ウィジェットの追加/削除/移動は簡単に行える。ただし、残念ながら、多くのウィジェットは無料版のままでは使えない……。「Try Dashy Pro for free」と表示されるウィジェットは、有料版のProを契約したユーザーだけが使えるウィジェットとなる。
無料版のまま使用できる主なウィジェットは、Ambience(環境音)、Bookmarks(ブックマーク)、Calculator(電卓)、Clock(時計)、Settings(各種設定)、Tab Manager(タブ マネージャー)、Timer(タイマー)、Wallpaper(壁紙の設定)などで、かなり限定的になっている。
ビジネス向けのウィジェットとして一般的な、Google Calendar(Googleカレンダー)、News(ニュース)、Notes(ノート)、Reminder(リマインダー)、To-Do(タスク管理)、Weather(天気)などは、有料版のProにアップグレードしないと使えない。
参考までに、ホーム画面に配置しておくと便利なウィジェットとして「Bookmarks」の使い方を紹介しておこう。こちらは無料版のままでも使用できるウィジェットとなるが、最初に「Dashy」にアクセス権を許可しておく必要がある。ホーム画面に「Bookmarks」のウィジェットを追加したら、「Grant Permissions」をクリックし、続いて「許可する」ボタンをクリックする。
すると、Chromeの「ブックマーク バー」に登録されているリンクが自動取得され、アイコンで表示される。もちろん、これらのアイコンをクリックしてリンク先へ移動することも可能だ。
そのほか、ブックマークの表示方法(アイコン/リスト)を切り替える、「ブックマーク バー」以外からブックマークを取得する、といった設定変更も可能となっている。
なお、このウィジェットは「Chromeのブックマーク」と連動しているため、ウィジェットで編集した内容は「Chromeのブックマーク」にも反映される仕組みになっている。
背景写真の変更
続いては、「Dashy」の背景写真について解説していこう。背景を別の写真に変更したいときは、画面の余白部分を右クリックし、「Change Wallpaper」を選択すればよい。「Change Wallpaper」を選択する毎に、背景写真がランダムに変化していく。
背景写真のカテゴリを限定したり、背景写真を自動変更するように設定したりすることも可能だ。これらの設定は、ホーム画面に「Wallpaper」のウィジェットを配置して指定する仕組みになっている。
ホーム画面にWebサイトを配置
ホーム画面に“Webサイト”を配置する機能も用意されている。よく見るWebサイトを配置しておけば、そのWebサイトへ移動しなくても、ホーム画面で最新情報を確認できるようになる。
“Webサイト”をウィジェットとして追加するときは、「Website」の一覧の中から好きな項目を選択すればよい。
以下の図は、「Google News」のWebサイトを配置した例だ。ウィジェットのサイズは、右端や下端をドラッグすると変更できる。また、ツールバーの部分をドラッグしてウィジェットの配置を移動することも可能となっている。
一覧には用意されていないWebサイトをウィジェットとして配置する方法もある。この場合は、画面の下部にある「+」アイコンをクリックして「カスタム・ウィジェット」を作成する。
すると、このような画面が表示されるので「タイトル」と「URL」を入力する。このとき、「Mobile View」をONにして、スマホで見たときのWeb表示に切り替えることも可能だ。その後、「Add Widget」ボタンをクリックすると……、
ホーム画面にカスタム・ウィジェットを追加できるのだが、残念ながら、こちらも有料版のProにアップグレードしないと使えないようだ。
このように無料版の「Dashy」は何かと制限が多く、好きなWebサイトを「ホーム画面」に配置することも不可となっている。
サイドバーの表示
普通にWebサイトを閲覧しているときに、「Dashy」のホーム画面を「サイドバー」として表示する機能も用意されている。この操作は、「拡張機能」のアイコンをクリックして「Dashy New Tab Dashboard...」を選択すると実行できる。ツールバーに「Dashy」を固定している場合は、「Dashy」のアイコンをクリックするだけで「サイトバー」を呼び出すことが可能だ。
サイドバーとして呼び出したホーム画面には、各ウィジェットが縦一列に並べて表示される。この並び順は、右端にあるアイコンを上下にドラッグすると、自由に並べ替えられる。
また、サイドバーの幅を変更することも可能となっている。サイドバーの幅を広くしていくと、“縦一列”ではなく、“ホーム画面と同じ配置”でウィジェットを表示できるようになる。
このようにサイドバーを表示することで、いつでもホーム画面にアクセスすることが可能となっている。上手に使えば、便利な機能として活用できるだろう。
検索バーの活用
念のため、「Dashy」のホーム画面にある「検索バー」についても補足しておこう。ここに適当なキーワードを入力すると、即座にWeb検索を実行できる。「歯車」のアイコンをクリックして、「使用する検索エンジン」や「検索バーの配置」を変更することも可能だ。
Pro版の料金
これまでに紹介してきたように、「Dashy」を使うとChromeの「ホーム画面」を自由にカスタマイズできるようになる。ただし、有料版のProを契約しないと使えない機能が多いのが難点といえる。
無料版のままでは「タスク管理」も使用できないため、実用面では第7回の連載で紹介した「Momentum」の方が優れているかもしれない。
参考までに、有料版の「Dashy」の料金を紹介しておこう。執筆時は、日本向けに70%OFFのキャンペーンが行われていたようで、サブスク契約は1.5ドル/月(割引前は5ドル/月)、または4.5ドル/年(割引前は15ドル/年)という金額が表示されていた。また、7.5ドル(割引前は25ドル)の買い切りコースもあり、7日間の無料トライアルも用意されているようだ。
全体的に見て「よくできた拡張機能」と思われるが、無料で使える機能が少ないことを考慮すると、評価は難しくなってしまう。第6回の連載で紹介したように、拡張機能は手軽に追加/削除でき、有効/無効も切り替えられるので、気になる方はいちど自分の目で見て、使い勝手などを確認してみるとよいだろう。