これまでさまざまなChromeの拡張機能を紹介してきたが、最後に、拡張機能を効率よく管理するための拡張機能として「Extensity」と「拡張機能マネージャー」の機能や使い勝手を比較・検証していこう。前編となる今回は、それなりに知名度のある「Extensity」という拡張機能の使い方を紹介する。
Chromeに用意されている拡張機能の管理機能
より使い勝手のよいブラウザになるように、Chromeに10個以上の拡張機能を追加しているユーザーもいるだろう。ただし、拡張機能の数が増えてくると、「拡張機能をどのように管理していくか?」という問題が新たに発生してしまう。
そこで、拡張機能を効率よく管理できる拡張機能として「Extensity」と「拡張機能マネージャー」の使い方を紹介していこう。
以下の図は、Chromeに20個以上の拡張機能を追加した例だ。すべての拡張機能をツールバーに固定している訳ではないが、それでもツールバーが「拡張機能のアイコン」で溢れかえってしまっている。
このままではURL欄が短くなってしまうし、アイコン表示が多すぎて、かえって使い勝手の悪いブラウザになってしまう。また、多すぎる拡張機能が原因でブラウザの動作が遅くなる可能性もある。
こういった問題を解消するには、それぞれの拡張機能の有効/無効を切り替えて、現時点では必要のない拡張機能を無効化してやる必要がある。「拡張機能」のアイコンをクリックし、「拡張機能を管理」を選択する。
すると、インストールされている拡張機能が一覧表示され、それぞれの拡張機能の有効/無効をスイッチで切り替えられるようになる。
このように、いま必要な拡張機能だけを有効にして、他の拡張機能を無効化してやると、アイコン表示が少なくなり、ブラウザの動作も軽くなる。とはいえ、そのつど管理画面を開くのは面倒くさいと感じる人もいるだろう。このようなときに活用できる拡張機能が「Extensity」または「拡張機能マネージャー」となる。
Extensityを使った有効/無効の切り替え
まずは、拡張機能「Extensity」の使い方から紹介していこう。拡張機能の追加手順はいつもと同じ。「Extensity」の紹介ページを開き、「Chromeに追加」ボタンをクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックするとインストールが完了する。
拡張機能を追加できたら、いつでも「Extensity」を呼び出せるようにツールバーに固定しておこう。「拡張機能」のアイコンをクリックし、「Extensity」のピンをオンにする。
すると、「Extensity」のアイコンが一覧の右端に追加される。ただし、アイコンの数に対してウィンドウ幅が狭すぎると、右端のほうにあるアイコン表示が省略されてしまう。このままでは都合が悪いので、「Extensity」が常に表示されるようにアイコンの並び順を調整しておこう。ウィンドウの幅を大きくし、「Extensity」のアイコンを左端へドラッグする。
これで「Extensity」のアイコンが常に表示されるようになる。以降は「Extensity」のアイコンをクリックして、それぞれの拡張機能の有効/無効を切り替えるだけ。この操作は、それぞれの拡張機能名をクリックすると実行できる。なお、一覧表示されている拡張機能のうち、グレーアウトされているものが「無効化された拡張機能」となる。
すべての拡張機能をまとめて無効化することも可能だ。この場合は、以下の図に示したスイッチを操作すればよい。
そのほか、それぞれの拡張機能の設定画面を呼び出すアイコンも用意されている。設定画面を表示したいときは、右端にある「歯車」のアイコンをクリックする。
このように「Extensity」を導入すると、Webページを表示したまま、手軽に拡張機能の有効/無効を切り替えられるようになる。そのつど「拡張機能の管理画面」を呼び出す必要はない。
プロファイルを利用した一括切り替え
拡張機能の有効/無効を個別に指定するのではなく、グループを作成して有効/無効を切り替えていくことも可能だ。この機能は「プロファイル」と呼ばれている。続いては、プロファイルの活用方法を紹介していこう。Extensityの画面を開き、以下の図に示したアイコンをクリックする。
新しいタブに「プロファイルの管理画面」が表示される。まずは、プロファイルの作成手順から紹介していこう。好きなプロファイル名を入力して「+」をクリックする。
新しいプロファイルが作成されるので、このプロファイルを選択したときに有効にする拡張機能を指定し、「Save」をクリックする。
同様の操作を繰り返して、用途別のプロファイルを何個でも作成することが可能だ。なお、プロファイルに関係なく、常に有効にする拡張機能を指定する「Always On」も用意されている。これを設定するときは「Always On」を選択し、常に有効にする拡張機能を選択してから「Save」をクリックすればよい。
以上でプロファイルの設定は完了。プロファイルを作成すると、Extensityの画面にプロファイル名が一覧表示されるようになる。あとは好きなプロファイル名を選択するだけだ。
たとえば、先ほど作成した「YouTube用」のプロファイルを選択すると、そのプロファイルに登録されている拡張機能と、「Always On」に登録されている拡張機能だけが有効になり、他の拡張機能は無効化される。
ちなみに、現時点で有効になっている拡張機能は「拡張機能」のアイコンをクリックすると確認できる。今回の例の場合、有効になっている拡張機能のうちツールバーに固定している拡張機能は「Extensity」のみ、となる。よって、ツールバーに表示されるアイコンも1個だけになる。
このように、用途に合わせてプロファイルを何種類か作成しておくと、プロファイルを選択するだけで拡張機能の有効/無効を一括変更できるようになる。便利な機能なので、上手に活用していくとよいだろう。
Extensityの設定画面
最後に、Extensityの設定画面について紹介しておこう。設定画面を呼び出すときは「歯車」のアイコンをクリックすればよい。
すると、以下の図のような設定画面が表示される。なお、設定変更を反映させるには「Save」のクリックが必要になる。忘れないように注意しておこう。
すべて英語表記の画面になるので簡単に補足しておこう。「Layout」の分類には以下のような設定項目が用意されている。
- Show header at the top
ヘッダー(Extensityの画面上部にあるアイコン群)の表示/非表示 - Show search box
拡張機能の検索欄の表示/非表示
その下にある「Apps & Extensions」の分類には、一覧の表示方法に関する設定項目が用意されている。
- Group Apps and Extensions
「Chromeアプリ」と「拡張機能」とグループ化して表示 - Show Apps first when grouped
グループ化した場合に「Chromeアプリ」を先に表示 - Show enabled Extensions at the top
有効になっている拡張機能を一覧の上部に表示 - Show options icon for each item
「歯車」アイコン(設定画面を呼び出すアイコン)の表示/非表示
たとえば、「Show enabled Extensions at the top」の設定項目をオンにすると、拡張機能を(有効)→(無効)の順番で一覧表示できるようになる。
「Profiles & Lists」の分類には、「プロファイル」や「Always On」に関連する設定項目が用意されている。
- Show "Favorites" and "Always On" profiles in the list
プロファイルの一覧に「Favorites」と「Always On」を表示 - Keep "Always On" extensions enabled when switching everything off
「Always On」に登録した拡張機能を「すべて無効化」スイッチの例外にする
たとえば、「Show "Favorites" and "Always On" profiles in the list」をオンにすると、プロファイルの一覧に「Favorites」と「Always On」が追加表示されるようになる。
以上が「Extensity」の概要となる。Chromeに多くの拡張機能を追加している人にとっては、とても便利な拡張機能といえるだろう。
なお、冒頭でも紹介したように、似たような機能を提供してくれる「拡張機能マネージャー」という拡張機能もある。次回は、この拡張機能の使い方を「Extensity」と比較しながら紹介していこう。