リコージャパンは10月23日、伴走型で顧客の脱炭素を支援するパブリックサービス本部のGX事業について、取り組みの進捗とカーボンニュートラル俱楽部の活動に関する記者説明会を開いた。

脱炭素経営を進める6つのステップ

リコージャパンのGX事業では、リコーグループの社内実践から生まれた「脱炭素STEP」という6段階のステップに沿って支援が行われる。

脱炭素経営に取り組む意義や目的を明確にするSTEP1から、二酸化炭素排出量を可視化するSTEP2、現状分析の結果をもとに具体的な改善策を検討するSTEP3へと進む。

その後、二酸化炭素削減の目標とロードマップを策定するSTEP4、運用の改善や設備の導入を伴うSTEP5、結果を収集して開示するSTEP6は、何度も繰り返しながらさらなる改善へとつなげる。

  • 脱炭素STEPの6段階のサポート

    脱炭素STEPの6段階のサポート

業界の脱炭素を促す「カーボンニュートラル俱楽部」を設立

同社がこれまで脱炭素STEPをサービス展開する中で、主要な顧客である中堅・中小企業からは「脱炭素経営の必要性は理解しているが人手や情報が不足している」「何から始めればいいか分からない」といった声が多く挙げられたという。

そこで同社は2025年10月、脱炭素経営に取り組む企業が実践事例を学び、交流しながら具体的な取り組みを共有するコミュニティ「カーボンニュートラル俱楽部」を立ち上げた。

  • 会員制コミュニティ「カーボンニュートラル俱楽部」を設立

    会員制コミュニティ「カーボンニュートラル俱楽部」を設立

コミュニティでは脱炭素セミナーの開催やカーボンニュートラルに関する最新動向の配信、御殿場にある環境事業開発センターの見学機会などが提供される。

現在は新たなメニューとして、コミュニティ会員同士の工場見学なども実現に向けて企画しているとのことだ。

  • 「カーボンニュートラル俱楽部」内の提供メニュー

    「カーボンニュートラル俱楽部」内の提供メニュー

担当者の孤立を防ぎ具体的な取り組みを共有

設立からおよそ1年が経過して加入団体は2000社を超え、10月22日時点では2441社まで増えている。その内訳は製造業34%、建設業18%、流通業11%、医療・介護7%などだ。また、全体の86%を中堅・中小企業が占めている。

  • カーボンニュートラル俱楽部の内訳

    カーボンニュートラル俱楽部の内訳

コミュニティ入会時のアンケート調査では、「脱炭素経営に取り組みたいが何から始めればよいかわからない、情報やノウハウが不足している」「同業他社や他団体の取り組み事例、内容を知りたい」「カーボンニュートラルに対する社員の意識を高めたい、推進体制を構築したい」といった課題が多く挙げられている。

コミュニティに入会するのは主に経営層やGX担当者で、情報収集をしながら他社の動向を学びたいというニーズが多いそうだ。サプライチェーンの中でGX経営に対する要望が強まる中、その第一歩の受け皿になっていることがうかがえる。

  • コミュニティ入会時のアンケート結果

    コミュニティ入会時のアンケート結果

GXを起点にDXやAIも組み合わせて支援

リコージャパンはGX支援において、全国48支社の顧客接点を有効に活用する方針だ。脱炭素経営には長期間を要することから、2050年を見据えた持続的な伴走支援を提供する。

  • 長期的な伴走支援を提供する

    長期的な伴走支援を提供する

また、脱炭素経営には省エネや設備導入といったGXの取り組みだけではなく、デジタル化を前提とした業務プロセスの変革(デジタルトランスフォーメーション)やAI・データ活用も必要となる。

リコージャパンの執行役員でパブリックサービス本部長を務める田保勝久氏は「GXに関する提案だけでなく、DXもAIも提案できるのがリコージャパンの強み」と話していた。

  • リコージャパン 執行役員 パブリックサービス本部長 田保勝久氏

    リコージャパン 執行役員 パブリックサービス本部長 田保勝久氏