日本IP.AI共創協会代表理事・NEXYZ.Group代表・近藤太香巳が語る「生成AIの時代に日本のIPを世界へ」

世界に誇れる日本のIP(知的財産)を守りながら世界に広めたい─。そんな思いから一般社団法人 日本IP.AI共創協会を立ち上げ、私が代表理事を務めています。

 日本のIPの勢いは目覚ましいものがあります。日本IPの総売上は約67兆円規模で、米ディズニーの約55.6兆円を上回る規模になっています。しかしながら昨今、生成AI技術が目覚ましく進化する一方で、IPの無断学習・利用が問題視されるようになっています。

 このまま何もせずに現状を放置してしまえば、日本のアニメや漫画が発展するチャンスを失ってしまい、国際的な訴訟問題にも発展しかねません。権利者のIPの権利を守り、新たな収益モデルへの移行が急務ではないか。我々には技術開発以上にAI時代にあわせた新たな流通ルールが求められているのです。

 もちろん、私はAIの発展自体は否定しません。しかし、権利者も利用者もお互いが安心してIPを使用できる環境整備が求められていると思うのです。現況のままの権利者と利用者との対立構図では、どちらにとっても利益をもたらしません。

 そこで当協会はIPを適正に活用したいのに権利確認ができない、出所を追えない、正しく利益を還元できないといったIPに関わる様々な課題の解決をミッションとしています。当社の傘下のKAGAMIAIホールディングスが「Kagami Gate」というインフラを運営。個々のIPについて、利用可能な範囲や生成ルールを定め、生成素材とあわせてAI企業にライセンスできるようにしていきます。

 当協会が発出した「世界IP.AI共創宣言」に賛同する日本のIPを集め、AI企業とのマッチングをするわけです。これにより、AI企業は公式にIPを使ったAI生成を提供できるようになります。そして、初期登録費用や動画の生成数に応じた対価をKAGAMIAIが受け取り、それを権利者に還元します。二次創作の文化を守りつつも、権利者が生み出した収益を適正に、その権利者に還元できる仕組みを用意するということです。

 既に今年6月、サッカーW杯開幕初日からKagami Gateの実装検証を行いました。IPとして大人気漫画の『キャプテン翼』を使い、動画生成AIサービスの「PixVerse」上で二次創作を行ってもらったのです。45日間に約12万6300人のクリエイターが参加し、生成件数も約33万件に上りました。

 このうちのほとんどが195以上の国・地域からの利用で、日本国内からの利用は1%未満となりました。日本のアニメに対する世界のニーズの高さを実感します。

 一方で、基準違反については、全体の0.14%となる451件に過ぎませんでした。Kagami Gateの有用性が確認できたと共に、ルールをしっかり整備すれば健全な活用がなされるということを意味しています。正しくIPを使ってもらうルールと収益還元の制度を整え、非公認の生成物によるブランドの毀損を防ぐことが大切なのです。

 当社は20年前から芸能人の宣材提供を通じて、IP管理の実績を蓄積してきました。420名を超えるタレント・モデル、200社を超えるプロダクションとのネットワークがあります。さらに先の宣言にはIPとして懐かしのアニメや人気キャラクター等の賛同を得ています。

 世界中の人々を魅了する日本のIPを健全に成長させていくためにも、当協会は仲間を集めながら日本の成長に寄与していきたいと思っています。

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