ロードスターキャピタル社長・岩野達志 買収で「セキュリティ・ トークン」に進出、 クラウドファンディングとの相乗効果発揮を

「不動産市況の見方はポジティブ。インフレ局面で特にオフィスが見直されており、賃料上昇の速度も速い。それを見越して投資家の資金が入ってきている。金利上昇もあるが、まだインフレ率の方が勝る局面」 

 同社は不動産の自己投資や運用を事業の柱に、「クラウドファンディング」による不動産投資プラットフォーム「オーナーズブック」を運営している。 

 オフィスの仕入れに関しては「2026年に入ってアクセルを踏んでいる」。以前は各社が利回り、収益性を見て不動産に投資していたが、今はむしろ土地、建物の価値が重要視されている。 

 24年にレストラン・ホテル運営のひらまつ等から6件のホテルを取得。「ホテルの土地、建物はマーケットから高く評価されている。運営の収益性については、今後さらなる改善が必要」 

 25年には、ブロックチェーン基盤を保有し、証券会社を傘下に持つHash DasH Holdings(HHD)を完全子会社化。以前から進出を目指していた「セキュリティ・トークン(ST)」事業の展開が可能となった。

「STは我々が手掛けているクラウドファンディングとの相性がよく、魅力を感じていた」。今回の完全子会社化で、ST事業の展開に必要な材料を、ほぼ全て入手できたことになる。HHDの課題だった顧客の確保もロードスターが補完できる。「STで不動産投資がやりやすくなり、投資家にもメリットが出てくる」と期待している。 

 今後に向けては「新しいチャレンジを続けたい。不動産会社としての合理性の中で新たな取り組みをすることで、ビジネスとしての拡張余地が大きい」。 

 インフレ下で、それをヘッジする資産として不動産への注目度は高い。その地合いの中で「インフレによって、業界全体に対するいい意味での見直しが来るのではないか」と見ている。 

 市場からは、さらなる成長が期待されているが「含み益を吐き出せば、もっと利益が出ると言われるが、これは将来のためのクッション」と持続性のある経営を続ける考えだ。

profile

いわの・たつし:1973年5月兵庫県生まれ。96年東京大学農学部卒業後、日本不動産研究所入所。2000年からゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンで不動産取得やアセットマネジメントに従事、04年ロックポイントマネジメントジャパンLLCディレクター、12年ロードスターキャピタル設立、代表取締役社長。