
茂木友三郎さんの需要創造
キッコーマン取締役名誉会長・茂木友三郎さんには、本誌で『国と国をつなぎ、人と人をつなぐ』というタイトルで連載していただいている。
連載のサブタイトルに、経済人の役割と使命とは何か─とあるように、世界で〝分断・対立〟が進む今、経済人の果たす役割は実に大きいと思う。
茂木さんは、1960年前後、米コロンビア大学大学院で学ばれ、同大学では日本人初のMBA(経済学修士号)を取得。
当時、世界のリーダーとして振る舞っていた米国の風土、文化も学ばれた。今、世界は混沌とした状況にあると思われがちだが、茂木さんは『振り子の論理』を例証に、「右に左に揺れていますが、結局は落ち着くべき所に落ち着きます。悲観し過ぎるのもよくないと思う」とおっしゃる。
日本の食文化を代表するしょう油を米国で生産・販売しようとしたのは1973年(昭和48年)のこと。「米国の小麦、大豆を原料に、米国産のしょう油をつくります」と、米ウィスコンシン州の農業関係者の信頼を獲得して、生産を開始。今や、キッコーマンは全売上の8割、利益の9割をグローバル市場であげている。
日本発のしょう油は、世界中の国と国、人と人をつないでいる。ここまで来るには、いくつもの試練があったが、世界共通の食材づくりに邁進しよう─という同社関係者の思いが、今日のキッコーマンのグローバル経営を支えてきた。
「いつも挑戦する気概が大事」と茂木さんは言われ、企業の使命は「需要創造です」と強調される。
その国や地域との共存を図るには、その国や地域社会の人たちと交流を深め、「よき地域市民になることが大事」と説かれる。