ベネッセは3月24日、同社が提供している「進研ゼミ 小学講座」「進研ゼミ 高校講座」を約10年ぶりにリニューアルすることを発表した。今回の発表に伴い、ベネッセは「進研ゼミ 小学講座・高校講座 リニューアル記者発表会」を開催した。
今回、小学講座・高校講座ともにAI技術を活用し、学習実態の変化とテクノロジーの進化を組み合わせた大規模リニューアルとなっている。
発表会には、ベネッセコーポレーション 取締役副社長 執行役 兼 CPO(Chief Product Officer)の山口文洋氏、同社 家庭学習カンパニー 小学生事業本部 水上宙士氏、家庭学習カンパニー 高校生事業本部 本部長 永田祐太郎氏が登壇。リニューアルした進研ゼミの概要を説明した。
またリニューアルを記念して、小学生の子どもを持つパパであるかまいたちの2人(山内健司さん、濱家隆一さん)がゲストとして登壇し、新しくなった進研ゼミを体験した。
なぜ今リニューアル?小学生の学びを変える背景
ベネッセは、1955年に岡山県で中学向けの図書や生徒手帳などの発行を行う「株式会社福武書店」として誕生。
進研ゼミの歴史としては、1969年に現在の「進研ゼミ高校講座」の前身である、高校生向け通信教育講座「通信教育セミナ」を開講したのを皮切りに、1972年に現在の「進研ゼミ中学講座」の前身である、中学生向け通信教育講座「通信教育セミナ・ジュニア」を開講、1980年に小学講座が開講した。
そんな長年、日本の教育を支えている進研ゼミだが、今回は10年ぶりに大幅リニューアルとなった。
小学生講座のリニューアルの背景について、山口氏は、生成AIに頼ってしまうため論理的にじっくり考えることを得意とする子どもが減っているという「生成AI時代に求められる学力」、勉強が好きな子どもが減っている「子どもの学びの好き嫌い」、勉強以外の楽しい選択肢が増えている「ゲーム・スマホ時間の増加」、共働き世帯の増加による「保護者の子どもの勉強への悩み」という4つの要因を挙げた。
そのため、今回のリニューアルでは「子どもたちがやりたくなるUI/UX」「子どもたちが取り組みやすい学習教材」「子どもを褒められる環境構築」といった点に注力して、開発されているという。
リニューアルの3大ポイント:ゲーム化・AI赤ペン・保護者支援
リニューアルのポイントは、「ゲーミフィケーションの導入」「赤ペン先生のアバター化」「保護者サポートの強化」の3点だ。
ゲーム感覚で学べる新UI「レッスンランド」
ゲーミフィケーションとは、ゲームのメカニズムやゲームデザイン要素を非ゲームの分野に応用することを指す言葉で、ゲームの仕組みや要素を取り入れるゲーミフィケーションの活用がさまざまな分野で活発化している。
子どもたちが日常的に親しんでいるイマドキのゲームの世界観を取り入れ、学習体験のデザインをフルリニューアルすることで、高品質なデジタル体験に慣れた現代の小学生でも、直感的に・楽しく・続けやすい学習環境を実現しているという。
AI赤ペン先生が365日伴走、個別最適化へ
今回のリニューアルでは、「赤ペン先生」が365日そばにいる学びを目指し、人×AIの機能を搭載している。
これまでに蓄積した約4.2億枚に及ぶ添削答案データを分析することで、子どものやる気を引き出してきた赤ペン先生の「褒め」「認め」コメントをデジタル上で実装。タブレット学習において、学力・学習状況・性格タイプに合わせて、「進研ゼミ」史上初めて担任の「赤ペン先生」アバターが365日タイムリーに声かけ・指導を行う。
今後はAIによる最適化も進め、より一人ひとりに合った関わりを実現していくという。
一方で、小学生の学びには、試行錯誤の過程や思考の癖をくみ取る人にしかできない指導も欠かせないという考えのもと、月の最後に取り組む「赤ペン先生のまとめテスト」は、引き続き人の赤ペン先生が担当し、子どもの考え方や成長を見守り、指導する。
保護者は“見るだけ”でOKに、サポート機能を強化
加えて、保護者サポートの強化として、忙しい毎日でも、わが子の成長が一目で分かる機能を搭載した。
子どもの学習進捗や理解度、さらには興味・関心の傾向を「保護者サポートアプリ」を通じてリアルタイムで報告する。そのため、保護者が毎日の学習内容を細かく確認しなくても、アプリ上で、一目で取り組み状況を把握することが可能。
赤ペン先生より「今、ここを褒めてあげてほしい」という具体的な褒めポイントを提示することで、どのような声掛けをすればよいのかが分かるため、自然と前向きなコミュニケーションが生まれるという。
さらに、プッシュ通知やメールでの配信にも対応しており、アプリを開かなくても手軽に状況確認ができることで、保護者のライフスタイルや関与度に合わせた柔軟なサポートを実現する。
「これは続く」かまいたちが実感した進化
記者発表会では、このゲーミフィケーションが導入され、新しくなった小学講座をかまいたちの2人が体験した。
自分でお気に入りの赤ペン先生を決めたり、ゲームのような感覚で学べる学習を体験したり、と2人とも和気あいあいと体験していた。
特に学習を進めることで貯まるコインで引けるガチャは白熱。濱家さんは、なかなか良いグッズが引けなかったのが悔しかったそうで「これならガチャを引くためにもっと勉強を進めよう、という意欲が湧く」と熱く語っていた。
また最後に、自分自身も進研ゼミを受講していたという山内さんは、「自分の頃とは比べものにならない。こんなに楽しく勉強できるなら子どももやりたくなる」と進研ゼミの進化に驚いている様子だった。
高校講座は「テスパ神」で効率学習へ
一方の高校講座については、学校推薦・AO入試をはじめとする「大学入試の変化」、探求学習や部活動など多様なアクティビティが行われていることによる「多忙な高校生」、約半数の生徒が活用しているという調査もある「生成AIの利用」といった3つの高校生を取り巻く校外学習環境の課題があるという。
これに対して、進研ゼミは「テスパ神」という新たなコンセプトを掲げ、高校生の進路選択において重要となる内申点に直結する定期テストの成績(=テストパフォーマンス)を短時間で効率的に上げるサービスへと刷新した。
具体的には、「写真を撮って送るだけで『わからない』を24時間いつでも解消するAI質問『しまじろう』」「テスト範囲から最適な学習計画を導くAIテスパ機能」「約1600本の映像授業+約2000億通りから最適出題されるAI問題演習」「学習がリアルな価値に変わるおこづかい機能」という4つの機能を軸に、日々の学習から定期テスト本番、さらには大学入試に必要なレベルまで一気通貫で支援する。
写真で質問、AIが即解説「しまじろう」
日々の学習で生じる「わからない」問題を撮影すると、進研ゼミの教育ノウハウを読み込んだ独自生成AIが24時間いつでも問題の解き方を丁寧に解説してくれる機能。
学習パートナーとして「しまじろう」が登場し、まずヒントを提示して考える力を引き出し、ステップ解説を通して解き方の理解を深め、その後類題や動画講義を提案し、理解から定着までをサポートする。この機能は7教科すべてに対応している。
さらに、一部の問題では問題を読み込み、その場で図・グラフを生成して図解で解説する「ビジュアル解説」を提供する。
AIがテスト対策を自動設計「テスパ機能」
テスト範囲のプリントを撮影または入力するだけで、AI が出題範囲や重要ポイントを分析し、一人ひとりの学校・教科書・学力に応じた最適な学習計画やカリキュラムを提案する。
単元ごとの理解度を踏まえ、得点につながりやすい問題から優先的に取り組めるため、限られたテスト期間でも迷わず効率的に学習を進めることが可能。
AIが最適問題を出題、演習も個別化
中学5教科から高校7教科 24科目までに対応した約1600本の映像授業でさかのぼり学習が可能。
プロ講師によるわかりやすい解説で基礎から理解を深めたうえで問題演習へとつなげ、AIが解答傾向をリアルタイムで分析することで、約2000億通りの問題の中から、今の自分に最も力がつく「次に取り組むべき問題」を出題してくれる。
学習が報酬に変わる「おこづかい機能」
学習量や取り組み状況に応じてアプリ内でコインが貯まり、アマゾンギフトカードやPayPayポイントなどに交換できる「おこづかい」機能を搭載。
学習の積み重ねがリアルな価値として可視化されることで、勉強の成果を実感しやすくなり、日々の学習を前向きに継続するきっかけにつながる。






