NTTドコモビジネスは3月24日、クマの市街地出没とそれに伴う被害の増加を受け、自治体向けにクマの早期発見から情報発信、現地調査業務の効率化まで支援する「熊対策ソリューション」を4月1日より提供開始することを発表した。
同社はこれまでも自治体向けにクマ対策に関する複数のソリューションを提供してきたが、同サービスではAIによる早期検知から住民への情報発信、現地調査業務の効率化に資する各種ソリューションをラインアップとして体系化しており、地域の安全確保と現場負荷の軽減に貢献する。
ソリューション開発の背景
近年は、従来の生息域を超えて市街地へ出没するアーバンベア(都市部やその周辺に出没し定着するクマ)や、気候変動の影響で冬眠しないクマの問題が深刻化し、全国で過去にない水準の人身被害が発生している。
こうした被害を受け、環境省はクマを指定管理鳥獣に指定しており、自治体はクマアラートの運用や、人間とクマの住み分けを管理するゾーニングの徹底が求められている。しかし、現場では見回り人員や電気柵管理などの負担増加に加え、住民からの連絡が相次ぎ対応が追いつかないといった状況が課題となっている。
これに対しNTTドコモビジネスは、クマの早期発見から住民への情報発信、現地調査業務の効率化に貢献するソリューション体系化して提供する。各自治体の課題やニーズに合ったソリューションを提供し、自治体と住民の安全に貢献するとのことだ。
フェーズ1:検知・早期発見
ドコモIoTマネージドサービスfor 熊対策AIは、クマやイノシシなど4鳥獣の出没をAIで自動検知し、関係者へ即時通知するサービス。カメラで撮影した画像や動画をAIが解析し、特定の鳥獣だけを検出して自動通知する。
クマ検知を実施するために必要な通信回線や通信機能付きトレイルカメラ、クラウドサービスなどをパッケージ化して提供する。短期間で導入・設置可能で、設置後の問い合わせにも対応する。
セルラードローン Skydio X10は、害獣の目撃情報や自動検知情報をもとに、高解像度カメラおよびサーマルカメラを搭載したSkydio X10を現場に迅速に出動させることで、害獣の出没現場の状況確認や獣道の発見、追い払いなどの必要な対策を実現する。
Skydio X10は可視光カメラだけでなくサーマルカメラも併用可能で、発見頻度の向上が期待できる。また、害獣が活動しやすい夜間においても、夜間の自律飛行を実現するNightsense機能とサーマルカメラが有用と考えられる。その他、スピーカーを活用した追い払いも可能。
フェーズ2:情報発信
フェーズ2では、クマの検知の情報を住民へ速やかに発信する。地域アプリLGPF(Local Government Platform)を通じて、住民がスマートフォンからクマの目撃情報を簡単に通報できる仕組みと、クマの出没状況を地図(マップ)で確認できる機能を提供する。
日常的に利用される身近なアプリ上で通報や出没状況の確認が完結することで、住民の負担を軽減するとともに、出没マップや注意喚起などの情報発信を通じて住民の安全行動を促す。
また、電話や窓口に集中しがちな通報をアプリへ分散させることで、自治体職員の一次対応に係る負荷を抑え、対応リソースの最適化も期待できるとのことだ。
フェーズ3:インシデント管理業務効率化
現地調査省力化ソリューションは、クマ出没の発信を受けた後のインシデント管理業務に対し、受付から情報共有、現地での記録と報告、情報公開までの一連の流れをデジタルでつなぎ、ワンストップで効率化を支援する。
発信内容は庁内でリアルタイムに集約され、担当者間の対応判断と出動調整を支援。現地ではタブレットなどから調査フォームへ入力し、写真や位置情報とひも付けて登録できるため、現場で記録が完結する。登録した内容は庁内へ自動で反映され、状況確認や公開判断を迅速化。必要に応じてCSVでの集計や出力にも対応する。
現地調査前の地図印刷や資料の準備を不要にするほか、現場入力や情報共有を効率化する。二重入力や事後整理を削減し、調査の質向上と働き方の改善(私用端末の不使用・最小装備化)にも寄与する。

