
政府の第34次地方制度調査会(首相の諮問機関)は、市町村の事務の在り方について議論を始めた。人口減少に伴う人手不足が深刻化する中、国や都道府県との役割分担の見直しなどを検討。人口が集中する大都市の制度についても話し合う。2027年末の答申を目指す。
地方制度調査会は有識者や国会議員、全国知事会など地方6団体の代表らが委員を務める。委員の任期は2年。会長には市川晃住友林業会長が就任した。
林芳正総務相は今年1月の総会で、「住民の生活を守り、個性豊かで活力ある地域を創出するには、自治体が社会の変化に対応し、本来注力すべき事務に注力できるための取り組みを着実に進める必要がある」と強調。「国・都道府県・市町村間の役割分担や、大都市地域における行政体制などの地方制度の在り方について、従来の発想にとらわれず柔軟に議論を行うことが重要だ」と述べた。
市町村では担い手不足が進み、行政サービスの低下が懸念されている。デジタル分野や土木技術職などの人材確保も厳しい状況が続いている。これを受けて、総務省の研究会は昨年、国や都道府県が市町村の業務を担うなど、業務の再編を含めた検討を求める報告書をまとめていた。
大都市制度では、政令市の権限を強化し、道府県との二重行政の解消を目指す「特別市」も審議される見通しだ。道府県に与える影響や移行要件などが論点となる。特別市を巡っては、2013年の第30次地方制度調査会の答申で、検討課題に位置付けられていた。全20政令市でつくる「指定都市市長会」が早期法制化を要望している。
総会では、全国知事会の阿部守一会長(長野県知事)が「新しい時代に適合した国と地方の役割分担へと抜本的に再構築をしていくことが大変重要だ」と指摘した。特別市については、「住民にとって望ましい制度なのか、率直なところ懸念を持っている。幅広く丁寧な検討が行われることを期待する」と訴えた。