日立と米GEが東南アジアで次世代原発の導入を検討へ

原発事故から15年、世界で原子力回帰が進みつつある中で…

 

 日立製作所と米GEベルノバが、次世代原子力発電所SMR(小型モジュール炉)の東南アジアでの導入検討に入った。3月14日に、赤澤亮正経済産業大臣と米国のダグ・バーガム内務長官による立ち会いのもと、都内で両社が覚書を締結。日本の部材メーカーとの連携やサプライチェーン(供給網)の強化についても検討する。

【トヨタ・豊田章男氏も登壇!】WEB300カンファレンス開催

 日立とGEは50年以上にわたり原子力事業で協業関係にある。両社は現在、カナダで初号機となるSMR「BWRX‐300」の建設を進めており、2030年までの完成を目指している。また、米国でもテネシー州でSMRの建設計画が進んでおり、今後は両社が持つ技術や知見を融合させることで、SMRを世界中で展開したい考え。

 日立執行役常務で原子力ビジネスユニットCEO(最高経営責任者)の稲田康徳氏は、「両社の強みを生かし、東南アジア地域における持続可能なエネルギーの未来に貢献することを目指す」とコメントしている。

 2011年の東日本大震災から今年で15年。東京電力の福島第一原発事故が起こった際には、世界中で脱・原発の流れが加速した。しかし、近年、世界では原子力回帰が進みつつある。

 2022年のウクライナ戦争以降、欧州各国がロシアへのエネルギー依存を減らそうと、脱炭素電源として原子力強化を宣言。米国でもAI(人工知能)に不可欠なデータセンターへの電力供給源として原子力を活用する企業が増えている。

 日本でも、岸田文雄政権が原発政策を大幅に転換。半導体工場やデータセンターなどの建設による電力需要の増加が見込まれ、電力確保と脱炭素の両立に向け、安全性を高めた原子力の役割が大きいと判断。「第7次エネルギー基本計画」で、再生可能エネルギーと共に原子力を最大限活用していくと明記した。

 現在は米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、イランがエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を事実上封鎖。原油の9割以上を中東からの輸入に頼る日本。国としてエネルギーをどう確保するかが問われる中で、今後も原子力回帰の流れは加速するか。

WEB300カンファレンス開催 現地レポート!