MicrosoftがAmazonとOpenAIに対して法的措置を検討しているという。両社が進める500億ドル規模の提携が、MicrosoftとOpenAI間のクラウド独占契約に違反する可能性があるためだ。
争点は「Frontier」へのアクセス
争点はOpenAIの「Frontier」へのアクセスだ。Frontierは2026年2月に発表された企業向けプラットフォームで、AIエージェントをデジタルワーカーとして構築・展開・管理することを支援する。現行契約では、開発者や企業がOpenAIのモデルを利用する際のAPI呼び出しはすべてMicrosoft Azureを経由しなければならない。
AmazonとOpenAIはこの制約を回避すべく、AmazonのBedrock上で動作する「Stateful Runtime Environment(SRE)」を開発中だ。SREはAWS(Amazon Web Services)上の企業データにアクセスし、OpenAIのエージェントが過去の作業を記憶しながら複数のツールやデータソースをまたいで動作することを可能にするという。
Microsoftは、この仕組みについてAzureを経由せずに動作させることは技術的に不可能であり、契約の精神にも反すると主張している。「違反があれば提訴する」とMicrosoftに近い人物は語った。
OpenAI側は「契約に適合」と主張しているという。また、OpenAIに近い人物は、MicrosoftがEU・英米の規制当局からAzureのライセンス慣行をめぐる調査を受けている現状では、訴訟に踏み切りにくいとの見方を示す。OpenAIは今年中のIPO(新規上場)を目指しており、追加訴訟は資金調達や上場計画に影響しかねない。
MicrosoftはFinancial Timesに対し「OpenAIは法的義務を理解し尊重していると確信している」とコメント、AmazonとOpenAIはコメントを控えたという。Financial Timesが3月18日付で関係者の話として報じた。