White Houseは3月6日(米国時間)、「White House Unveils President Trump’s Cyber Strategy for America - The White House」において、深刻化するサイバー脅威に対抗するための新たな国家指針「米国サイバー戦略(President Trump’s CYBER STRATEGY for America)」を発表した。

トランプ政権は「サイバー空間における自由と安全は当然のものではない」と述べ、国家安全保障、経済、民主主義の防衛を目的に、政府、国民、産業界、同盟国が一体となって積極的に行動し、脅威を無力化する方針を示した。

  • White House Unveils President Trump’s Cyber Strategy for America - The White House

    White House Unveils President Trump’s Cyber Strategy for America - The White House

サイバー空間を国家安全保障の戦略領域と位置付け

文書は、敵対国家や犯罪組織がサイバー空間を利用して民主主義を揺るがし、重要インフラを攻撃し、経済に甚大な損害を与えていると指摘。トランプ大統領は自国の利益を守るために行動すると述べ、積極的な防御と攻勢的サイバー能力を活用し、脅威に立ち向かう姿勢を示している。

取り組みはサイバー空間に限定しないと明言し、現実世界における行動を示唆。具体例として犯罪ネットワークの解体、ハッカーやスパイの追跡、無法な外国企業への制裁を挙げている。また、破壊的なプロパガンダ、影響力行使、文化破壊行為に対しても実態を暴く方針だ。

「米国サイバー戦略」の6つの柱

戦略は6つの柱で構成される。各柱の概要は次のとおり。

  • 敵対勢力の行動を抑止 - 米国および同盟国間で公平な協力体制を築き、国家権力を総動員し、敵対者の侵略コストを増大させる。民間企業にもインセンティブを与えて脅威ネットワークを特定・無力化する。権威主義国家による監視技術の拡散に対抗し、犯罪基盤を根絶する
  • 常識的で機動的な規制の推進 - 過剰な規制を合理化し、企業が迅速にサイバー対策を実施できる環境を整備。プライバシー保護も重視する
  • 連邦政府ネットワークの近代化と防衛強化 - 老朽化したシステムを刷新し、AIを活用した最新防御技術を導入。参入障壁を排除して近代化を優先する
  • 重要インフラの保護 - エネルギー網、金融、通信システム、データセンター、水道事業、病院などの重要インフラを保護および強化するために、関連するサプライチェーンの安全を確保する。これには敵対勢力の製品への依存を排除し、米国製技術の採用を促進する取り組みも含まれる。州・地方政府との連携も強化する
  • 重要技術および新興技術における優位性維持 - AI、量子暗号、ブロックチェーンなどの分野で米国が主導権を握ることを目指す。生成AIとエージェントAIによるイノベーションと世界の安定を促進し、外国製AIプラットフォームによる検閲や監視の拡散を阻止する
  • サイバー人材の育成と拡充 - 大学、企業、政府、軍などが連携し、次世代のサイバー専門家を育成。既存の労働力、資源、才能も最大限に活用する

同盟国にもサイバー対策の負担を要求

トランプ政権はこの戦略を通じ、米国のサイバー空間における持続的な優位性を確保し、敵対勢力の弱体化または壊滅につなげたい考えだ。サイバー空間に国境はないことから同盟国にも相応の負担を求めており、日本に対してもこれまで以上の対策強化を求めるものと推測される。