【国土交通省】自治体の負担軽減に向けて建築申請書の保管を廃止

国土交通省は、建物を造る際に家主が提出する申請書などについて、自治体が保管する制度を2028年度に廃止する方針だ。

 一連の手続きのデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、これまで家主に紙での提出を求めていた書類を27年4月までに全て電子化。新たな書類が増えないようにして、自治体の負担を軽減する。過去の保管書類も並行してデータ化を議論する。

 全ての建物は、設計段階で建築確認申請書、施工が終わった段階で完了検査申請書などの提出が必要。商業施設や病院は、使用開始後もエレベーターや防火設備の定期検査報告書の提出が欠かせない。書類の受け付け・審査業務は民間検査機関か自治体が担う。

 自治体は、建築確認や定期検査の概要書を、建物が除却されるまで保管するよう建築基準法で義務付けられている。大量の紙が数十年単位で倉庫を圧迫し、市民から閲覧申請があれば職員が書類を探す手間がかかる。

 国交省担当者は「除却されたことを把握できないまま、もう建物がなくなっているのに書類だけ残っていることもある。DX待ったなしだ」と強調。自治体側からも改善を求める声が上がっていた。

 そこで国交省は、25年4月に建築確認申請書の提出手続きを電子化。今年4月には完了検査申請書を、27年4月には定期検査報告書を電子化する目標を立てている。

 その後、書類データを市民が閲覧できるシステムをつくって28年4月に運用を開始。同時に、省令を改正して紙の保管義務を廃止する方針だ。

 過去の保管書類は、人工知能(AI)や光学式文字読み取り装置(OCR)を活用してデータ化することが考えられる。

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