米OpenAIはこのほど、中国の法執行機関と関係する可能性のあるユーザーによる影響工作の活動を確認したとする報告書を公開した。報告によると、日本の高市早苗首相を批判するハッシュタグやミーム画像を使ったSNS投稿が、複数のプラットフォームで確認されたという。

  • OpenAIが公開した影響工作に関する報告書 出典:OpenAI

    OpenAIが公開した影響工作に関する報告書 出典:OpenAI

日本の首相を標的とするオンラインキャンペーン

報告書によると、このユーザーは日本の首相を標的とするオンラインキャンペーンの計画作成をChatGPTに依頼していた。計画には、SNSで否定的なコメントを拡散したり、政治的な批判を広めたりする内容が含まれていたとされる。

ChatGPTは作戦支援を拒否

OpenAIのモデルは、こうした計画への支援を拒否したという。

しかしその後、このユーザーは同様の作戦に関する進捗報告書の編集や文章の推敲をChatGPTに依頼していた。OpenAIは、作戦がChatGPTを使わずに進められた可能性があると指摘している。

SNSでハッシュタグやミーム投稿を確認

報告書では、この作戦の一環としてハッシュタグを用いたSNS投稿も確認された。

オープンソース調査では、2025年10月以降、X(旧Twitter)やPixiv、Blogspotなどのプラットフォームで関連する投稿が見つかったという。投稿には、日本の首相を極右勢力と結び付けるミーム画像や、米国の関税が日本の農業に与える影響を批判する内容などが含まれていた。

  • 高市首相と一水会代表の密会を装ったミーム画像 出典:OpenAI

    高市首相と一水会代表の密会を装ったミーム画像 出典:OpenAI

中国のサイバー特別作戦とは

報告書では、この活動が「サイバー特別作戦」と呼ばれる広範な影響工作の一部として説明されている。

OpenAIによると、この作戦ではSNS上の世論操作や情報拡散などを目的とした多数の戦術が検討されていた。偽のSNSアカウントを作成して投稿を拡散する方法や、ミーム画像を使った情報発信、大量投稿による議論の誘導などが含まれていたとされる。

こうした活動は、中国発のオンライン影響工作として知られる「Spamouflage」と似た特徴を持つと指摘されている。

投稿の影響は限定的

ただし、これらの投稿は大きな反響を得た形跡はなかった。

YouTube動画の再生数は一桁程度で、XやPixivの投稿もほとんど反応がなかったという。OpenAIは、活動の一部は確認されたものの、影響は限定的だった可能性が高いと分析している。