
AIブームの動向次第で企業価値が変動するリスクも
「われわれは、ASI(人工超知能)のNO.1プラットフォーマーになるという目標に向けて着実に前進した」
こう語るのは、ソフトバンクグループCFO(最高財務責任者)の後藤芳光氏。
ソフトバンクグループ(SBG)が、2026年度第3四半期(25年4―12月期)決算を発表。純利益は過去最高となり、前年同期に比べて約5倍の3兆1726億円となった。生成AI(人工知能)『チャットGPT』で知られる米オープンAIへの出資に係る投資利益2兆7965億円の影響が大きい。
近年、SBGはAI関連のプラットフォーム構築へ向け、チップやデータセンター、電力インフラ、ロボットなどの領域へ積極的な投資を続けてきた。
昨年10月にはスイスの重電大手ABBからロボット事業を約54億ドル(約8000億円)で買収すると発表。同12月には、オープンAIに対し、225億ドル(約3.5兆円)の追加出資を完了。オープンAIへの累計出資額は約5.4兆円となった。
一方、米通信大手Tモバイル株式の一部売却や米半導体大手エヌビディア株式の売却などで買収資金を捻出。後藤氏はSBGの株価が2024年に46%、25年には92%上昇したとして「当社の株価は、主要な株式市場を大きく上回るパフォーマンスとなった。バランスシートへの影響を意識しながら、財務規律を重視する姿勢を堅持している」と自信を見せた。
オープンAIは、早ければ年内にも株式上場を検討しているとされる。このため、あるアナリストはSBGに対して「オープンAIの上場が信用力を押し上げる可能性がある。一方、AI投資ブームに深さを伴った調整局面が到来した場合、その影響を受けやすい。大型投資に関するヘッドラインリスクも警戒すべき局面が続く」と指摘する。
現在は米グーグルやアンソロピック、中国のディープシークなど、世界中でAIの開発競争が進んでおり、オープンAIがどこまで市場を先導し続けられるかは不透明。AIブームの動向次第でSBGの企業価値が大きく変動しやすい状況は今後も続きそうだ。