ソニーGがテレビ事業を分離 コンテンツビジネスへ集中

次なる焦点はスマートフォン事業?

「これまで以上に魅力的な視聴体験を世界中のお客様に届けることを目指す」(槙公雄・ソニー社長)

 ソニーグループは、『ブラビア』ブランドで知られるテレビ事業を分離し、中国の電機大手TCLと設立する合弁会社に引き継ぐと発表した。出資比率はTCLが51%、ソニーグループ傘下のソニーが49%。3月末をめどに本契約を締結し、2027年4月に事業を開始する見通し。製品にはブラビアおよびソニーの名称を引き続き使う。

 日本の総合電機メーカーではテレビ事業の切り離しが相次いできた。日立製作所は18年に国内販売を終了。三菱電機は21年に事業縮小を発表し、24年に販売を終えた。いずれも中国・韓国などの海外勢との競争激化で収益が悪化していたことが背景にある。東芝は18年に中国ハイセンスに事業を売却した。

 ソニーはテレビ事業の赤字が04―13年度の10年間で累計約8000億円になり、経営危機の原因として指摘されるほどだった。その後は、解像度の高い4Kテレビへの集中などで収益性を改善したものの、映画や音楽といったコンテンツの拡大に舵を切るソニーグループの経営方針とは必ずしも合致しない存在だった。同社の25年3月期連結決算におけるテレビ事業の売上高も、前期比約10%減の5641億円にとどまっていた。

「遅かれ早かれそうなる。既定路線でしょう」

 電機業界関係者は、同社がテレビ事業の〝実質売却〟を決めたことを冷静に受け止める。

 次の焦点はスマートフォン事業をいつまで持ち続けるかだ。『エクスペリア』ブランドへの根強い支持はあるものの、海外勢に押される構図はテレビと変わらない。調査会社のMM総研によると、25年4―9月期のメーカー別スマホ出荷台数シェアでソニーは5位以内に入っておらず、「その他」として扱われている。

「テレビもスマホも日用品。高コスト体質のソニーが勝負できる分野ではない」(前出の業界関係者)。ソニーグループがコンテンツや画像センサー、金融といった領域に集中する動きは今後も続きそうだ。

AIの役割、AIと人間の関係をどう考える? 答える人 慶應義塾大学理工学部教授・栗原 聡