【2026年をどう占いますか?】 答える人 森トラスト社長・伊達美和子

コロナ後のオフィス回帰でオフィス需要はさらに拡大

 ─ 森トラスト社長の伊達美和子さん、東京を中心にオフィス市況は活発ですね。

 伊達 ええ。東京都心5区のオフィスは空室率が2%台、Aクラスのビルになると1%台と、大変好調です。実は、23年~25年は大量供給のピークでした。

 つまり、既存のビルは空室率が上がり、新しいビルも供給されるタイミングでしたが、現在、大型ビルはほとんど埋まっています。コロナ後のオフィス回帰や、企業のオフィス拡張、オフィスの使い方の変化により、需要はまだまだあるので、26年も伸びると見ています。

 一方で、今後は供給が少ないタイミングになってきており、27年は過去20年間で最低の供給量になると予想しています。ですから、需要と供給のバランスで言うと、供給が少し不足してくる可能性があると思っています。

 ─ オフィス建設にあたっては、建設費の高騰はどれくらい響くものですか。

 伊達 これは本当に困っています。「建築費指数」によると、10年で30%アップですが、実感はそんなレベルではありません。オフィス賃料の値上がりは確かですが、建築費の上昇に比べたら……というのが正直な気持ちです。そうなると、現在の建築費を前提に、どんな事業が成立するかを検討せざるを得ません。土地の価値も組み合わせて戦略を練り直し続けています。

 ただ、オフィスを選んでいただくためには、魅力あるオフィスや立地が必要ですので、われわれ供給側としては、そういった施設をどうやってつくるかが常にテーマとなります。

 ─ その観点でいくと、東京・赤坂の大規模複合施設『東京ワールドゲート赤坂』は第2期竣工を迎えたんですね。

 伊達 お陰様で稼働もほぼ満床となりました。また、24年8月の第1期竣工以降、周辺道路の整備などを進めてきました。約5600平方メートルの緑地整備が完了し、東京都心部でありながら緑豊かな施設になっています。

 また、「1 Hotel Tokyo」という米国発のサステナブル・ラグジュアリーホテルを誘致しました。ここはサステナビリティとラグジュアリーの融合がテーマで、これまでのホテルとは一線を画すスタイルです。都市型ライフスタイルの先端を行く体験を提供し、皆さんが訪れていただける場を目指しています。