日立製作所と日立システムズは2月26日、電力、ガス、道路、橋梁、トンネル、水道などの社会インフラ保守に関する日立グループのソリューション群を「社会インフラ保守 powered by Lumada」として体系化し、同日より提供を開始したと発表した。社会インフラの老朽化や人手不足といった喫緊の社会課題に、より迅速かつ柔軟に対応するとしている。
日立グループは、全国450超の顧客への導入実績と、対象インフラにあわせた40を超えるソリューションを強みとしてきた。今回の取り組みでは、これまで個別に提供してきた「管理・計画」「監視・検知」「分析・診断」「保守・作業支援」「防御・統制」の5カテゴリーにわたる既存ソリューション群を体系化し、顧客の課題を起点に横断的にソリューションを組み合わせた提案を可能にする。
あわせて、グループの提供価値を最大化するため、事業のドメインナレッジとAI活用を含む現場課題解決のノウハウであるLumadaのアセットを集約。さらに横断的な専門チームを新設し、各部門が密に連携して顧客一人ひとりの課題に寄り添いながら適切な解決策を共創する体制を整えた。専門チームは、顧客の潜在的な課題の発掘・立案、ソリューション集約とユースケース検討による最適な組み合わせの提案、各分野のプロフェッショナル部門の編成と導入後の有効性提示という3つの役割を担うとしている。
具体的な活用例として、ダムの点検では、ドローンが自動航行で壁面の画像を網羅的に撮影し、AIがひび割れや漏水といった変状の疑いがある箇所を自動検出。検出された箇所を構造物の3Dモデル上にマッピングし、管理者がPC上で劣化状況を直感的に把握して補修計画を策定するという一連の支援が可能になるという。
背景には、高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化がある。道路陥没だけでも年間1万件を超える事例が報告されており、建設後50年を超えるインフラの割合は今後20年で急増する見込みだ。維持管理コストの増大と技術者の減少が大きな課題となるなか、「国土強靭化」の推進が急務となっている。
将来的には「HMAX」へと発展させ、より高度な予兆検知や自律的な運用を含む次世代の保守運用モデルの実現をめざすとしている。具体的には、センシングデータや過去のインシデント、対応履歴などを蓄積し、AIで分析することで、保守・保全の高度化や効率化を図るとしている。

