NTTドコモビジネスは2月26日、企業がデータスペースへかんたんかつセキュアに接続できるシステム「データスペース接続ハブ」のプロトタイプを公開することを発表した。同システムでは、さまざまな機能を柔軟でリーズナブルに利用できる次世代型統合ネットワークサービスのNaaS(Network as a Service)とデータスペースを利用するために必要な機能を統合し、国内企業の現場から簡単な操作で安全にデータスペースにつながる仕組みを提供する。

  • データスペース接続ハブ

    データスペース接続ハブ

システム提供の背景

近年、環境への影響や二酸化炭素排出やエネルギー使用量への関心が高まる中で、企業を取り巻く要請は大きく変化しており、投資家や金融機関からの評価、取引先や顧客との契約・調達、製品・サービスの提供、不具合や事故発生時の説明責任など、企業活動のさまざまな場面において、環境負荷や品質に関する透明性の確保が求められるようになっている。

自動車産業をはじめとした製造業では、二酸化炭素排出量の可視化だけでなく、部品の起源を遡れるトレーサビリティ、不良部品の迅速な特定、需給変動の早期検知など、企業や国境を越えてデータをやり取りする場面が増加している。

そうした中、データを一カ所に集約するのではなく、各企業が自社のデータを管理したまま、必要な範囲の情報だけを相互に共有できる「データスペース」が国際的な標準として整備されつつある。データスペースにつながることで、企業は従来難しかったサプライチェーン全体の可視化や実データにもとづく意思決定を実現できるという。

一方で、データスペース接続には、データスペース参加資格取得、マネージドコネクタ設定、ユースケースアプリケーション設定など、一定の専門的な知識やシステム設定が伴うため、それらが企業にとって負担となる場合がある。

こうした状況を踏まえてNTTドコモビジネスは、「データスペース接続ハブ」の構想を策定した。このシステムはデータスペースの技術を活用し、企業がさまざまなユースケースにおいて安全かつ容易に企業間でデータ連携できる環境を提供することを目的としている。

システムの特徴

同システムではシンプルなUIによる商用データスペースでのファイル共有機能と、通信キャリアのNaaSであるdocomo business RINKのコア機能であるセキュアドWANを利用したCatena-Xなどの商用データスペースへの安全な接続を提供する。

データスペースとの接続に必要なマネージドコネクタの操作を簡素化したシンプルなユーザーインターフェースを提供し、直感的な操作によるファイル共有を実現した。具体的にはドラッグ&ドロップのみでデータスペース上でファイル公開が可能となり、専門的な設定を必要とせず容易にデータ交換を開始できるという。

セキュアドWANのセキュリティ機能、およびVPN機能を活用し、利用者の各拠点からデータスペースへの安全なアクセスを実現している。

同システムにより、これまで企業が個別に対応していたネットワーク設定やマネージドコネクタ設定といった準備作業を一元化でき、データスペースへ接続する際の工数とセキュリティリスクを同時に削減する。