NTTドコモは2月25日、生成AIを活用したモバイルネットワーク保守業務向けのAIエージェントを開発し、2月4日から同社のモバイルネットワークサービスにおいて商用利用を開始したことを発表した。
取り組みの背景
モバイルネットワークはユーザーの生活や企業活動にとどまらず、公共サービスや災害時の情報伝達などを支える重要な社会基盤インフラとなっている。現在のモバイルネットワークは、4G / 5Gをまたぐサービス提供や、複数ドメイン・複数ベンダーが混在する構成により、運用の複雑性が増している。そのため、安定運用を支える保守業務においては、障害発生時の迅速な対応とサービス影響時間の最小化が求められる。
これまで、対処方法が明確な故障については、事前に定義された手順を自動化することで迅速な対応を行ってきた。一方で、対処方法が明確でない複雑な故障が発生した場合には、複数の保守担当者が連携して大量のデータを収集・分析し、要因を特定する必要があり、人手による対応がサービス影響時間の長期化につながるという課題があった。
これらの課題を解決するため、NTTドコモはAWS(アマゾン ウェブ サービス)のマネージドサービスを活用し、複雑な分析や対処案の提示をAIが行えるようにするためのAIエージェントシステムを開発した。
取り組みの内容
今回開発したAIエージェントシステムは、AIエージェントの安全なガバナンスと大規模展開を可能にする「Amazon Bedrock AgentCore」と、AIに最適化された高性能なデータベースサービスを活用することで、モバイルネットワークを構成する基地局からコアネットワークに至るまでの100万台以上のネットワーク装置から収集されるトラフィック情報や警報情報などのデータを複数のAIエージェントを組み合わせて、横断的かつリアルタイムに分析し、ネットワークに起こっている異常を検知、被疑箇所を特定し、対処案を保守担当者に提示する。
このシステムは、従来は人手による分析・判断が必要であった複雑なネットワーク故障をAIエージェントにより特定し、対処案の提示を可能としている。これにより、従来と比べて対応時間を50%以上削減することでモバイルネットワーク障害発生時のサービス影響時間を短縮し、安定したモバイルネットワークサービスの提供に貢献するという。