Windows Latestは2月21日(米国時間)、「Opinion: Windows 11 isn’t the disaster some claim - and it’s time to say so」において、ここ最近のWindows 11の不具合報道を振り返り、本当に危機的な状況なのか、過剰な反応なのか、現代における情報伝達の難しさを指摘した。

評価過熱の背景 - SNS時代の“不具合拡散力”

SNSや掲示板では、累積更新プログラムの不具合やUI変更への不満が目立ち、Windows 11は危機的状況にあるとの見方も広がっている。しかし、過去のWindowsの歩みと比較すると、現在の評価はやや過熱気味だと指摘されている。

このところWindows 11について、プリンタ関連の不具合やスタートメニューの不安定動作、タスクバー表示の乱れなどが報告されている。2025年には多数の問題点が指摘され、更新プログラムの配信が続いたことも事実。だが、Windowsが不具合と修正を繰り返しながら成熟してきた歴史を振り返ると、今回だけが特異とは言い難いという。

例えば、Windows 95は再起動が日常的に必要とされるほど不安定だった。Windows 98も改良版で評価を取り戻した経緯がある。高評価のWindows 7も初期にはドライバーやネットワーク面で課題を抱えていた。Windows 10では更新によりユーザーファイルが消失する事例も発生した。これまでのWindowsの安定性は、時間と共に高まる傾向にある。

現在は問題が即座に共有される環境だ。XやRedditでは1件の不具合が瞬時に拡散し、あたかも広範な障害のように受け取られる。実際には限定的な構成にのみ影響する事例も少なくない。観測環境の変化が印象を増幅している側面があるという。

更新頻度の面でも、Windows 11が突出しているわけではない。Windows 7は長期にわたり修正パッチが配布された。Windows 10は「Windows as a Service」モデルの下で更新が常態化し、多数の既知の問題が公表された。Windows 11も同様の更新体制を取るが、テレメトリの高度化や既知の問題のロールバック(KIR: Known Issue Rollback)機能により、問題の検知と緩和は迅速化している。修正が早いこと自体が不安定さの証拠とは言えない。

ゲーマー層の採用拡大

利用動向を見ると、ゲーマー層での採用が拡大しているという。Steamのハードウェア調査ではWindows 11の比率が伸びている。ハイブリッドCPUへの最適化、GPU性能の向上、Auto HDRやDirectStorageなどの機能が評価されている。パフォーマンスに敏感な利用者が移行を続けている事実は、実用面での信頼を示す材料といえる。

開発体制の複雑さも無視できない。Microsoftによれば利用規模は十億台を超える。23H2、24H2、25H2といった複数の一般提供版が並行し、企業向けLTSCも存在する。さらに次期26H1やInsider各チャネルが同時進行する。多様なハードウェアとOEM構成を抱える中での並行開発は前例のない規模であり、調整負荷はきわめて高い。

それでも大半の利用者にとって、Windows 11は日常業務やゲーム、周辺機器接続を問題なくこなしている。完璧ではないが、現行ハードウェアとの適合性やセキュリティ強化、将来機能への布石という点で一定の成果を上げている。

「焦点は不具合件数の多寡ではなく、予測可能性と説明責任」とWindows Latestは指摘。透明性を高め、更新品質を安定させられるかが今後の評価を左右する。Windows 11は混乱の只中にあるというより、大規模基盤の進化過程にあると見る方が実態に近いとの意見を述べている。