NTT西日本、NTTドコモビジネス、日東工業の3社は2月19日、IOWN APNを活用し、約300km離れた関東のデータセンターと静岡県の掛川工場を接続した工場における外観検査の共同実験に成功したと発表した。ローカル環境と遜色ない速度・品質で画像データの解析およびロボットアームの制御を実証したという。

  • 取り組みのイメージ図

    取り組みのイメージ図

製造業の現場では、熟練工の減少や製品バリエーションの増加を背景に、外観検査の高度化・効率化が急務となっている。特に複数工場を持つ企業では、各工場の検査品質のばらつきや人手依存による運用負荷が課題となっている。工場外のデータセンターを活用する場合、従来のネットワークでは遅延や通信の揺らぎが発生し、リアルタイム制御を伴う工程でのAI活用が困難だったとする。

今回の共同実験では、NTT西日本が提供する「All-Photonics Connect powered by IOWN」とNTTドコモビジネスが提供する「docomo business APN Plus powered by IOWN」を組み合わせ、関東にある日東工業のデータセンターと静岡県の掛川工場を接続した。

掛川工場のベルトコンベア上を流れる製品をラインカメラで撮影し、画像をデータセンターへ伝送。画像認識AI「Deeptector」が不具合箇所や種類をリアルタイムで特定し、不具合の有無と不具合箇所の座標データをロボットへ送信して対象箇所へのシール貼付を実施したという。

実験の結果、ネットワークの遅延時間が日東工業の外観検査要件に影響を与えないことを確認したとしている。日東工業では1日1,000点を超えるパーツや製品の外観検査を実施しており、画像認識AIを導入することで判定基準に合致しないパーツや製品が流れた場合のみ目視確認を行う運用が可能となり、検査員の負担軽減に効果があることを示すデータを獲得したとしている。

さらに、遠隔の監視運用拠点に工場内データとAI基盤を集約することで、運用効率化および複数工場の検査品質統一化に資するデータも得られたという。

3社は今後、AI外観検査の対象を複数製品へ拡大しつつ、IOWN APNを活用した実生産ラインへの適用を目指すとしている。