
都内を結ぶ新たなインフラとなるか
「様々な目的で複合施設を訪れる人に船を使ってもらいたい」と話すのは、三井不動産街づくり推進部部長の七尾克久氏。
2026年1月26日、三井不動産は舟運プロジェクト「&CRUISE」を始めることを発表した。民間企業によるフル電動旅客船の定期航路開設は日本で初めてのこと。船名は「Nihonbashi e-LINER」で実際の運航事業は観光汽船興業が担う。
三井不動産が船主となり、まずは26年4月から日本橋―豊洲間で運航を開始する予定。実際の運賃や、1日の運行本数については現在検討中。最大乗船人数は乗員2名を含めて62名。車椅子での乗船や、自転車2台の積み込みも可能。
この舟運プロジェクトの起点となるのは日本橋。現在、このエリアでは首都高速道路の地下化事業が進行中。それに合わせて三井不動産は、親水空間と歩行者ネットワークを中心に、日本橋川沿いの再開発区域とその周辺を「日本橋リバーウォーク」という名称としている。
この日本橋と、豊洲という湾岸エリアを結ぶことで、舟運を日常のものにしていこうという取り組み。買い物や通勤といった日常使いの他、豊洲など周辺観光をする旅行者の移動手段となることを想定している。
また、船をフル電動旅客船とすることで環境性能に加えて、静音、低振動、燃料臭気ゼロを実現。緊急時には物資の輸送や傷病人の輸送・緊急搬送といった、陸や空に加えた新たなインフラとしての役割も想定する。
また、三井不動産は現在、築地市場跡地の再開発にも取り組んでいるが、この施設が2030年代にまちびらきして以降は、日本橋、豊洲、築地をもつなぐネットワークとして拡大していく方針。
舟運では他に、野村不動産が同社が開発した「ブルーフロント芝浦」を拠点に始めている。こうした取り組みによって、かつて歴史的に「水都東京」と呼ばれた機能を、もう一度復活させることができるか。通勤、観光需要を取り込む新たなインフラとして確立することができるか。各社の取り組みにかかっている。