UTグループは2月12日、2026年3月期第3四半期(2025年4月1日~2025年12月31日)の連結決算を発表した。それによると、同社の第3四半期累計の売上高は1253億2900万円、前年同期比で8.4%の減少となった。一方で、営業利益は80億8,400万円で前年同期比22.8%増、経常利益は81億6,800万円で前年同期比21.1%増と、利益面では大幅に伸長した。親会社株主に帰属する四半期純利益は53億6600万円で前年同期比35.5%減となったが、これは前年に計上された特別利益の反動が主因とされており、事業そのものの収益力は改善しているという。
売上高が前年を下回った背景には、前期に実施した海外事業(ベトナム事業)売却がある。営業利益は、採用手法の見直しや単価交渉により、売上総利益率が改善したことで増益となった。
モーター・エナジー事業は2桁増収増益を確保
セグメント別に見ると、主に自動車業界の製造業向けの人材サービスを提供するモーター・エナジー事業は好調に推移した。売上高は392億5200万円で前年同期比13.0%増となり、セグメント利益は33億2900万円で前年同期比14.4%増となった。
同セグメントは米国の関税政策などの影響により、今後の見通しは不透明な状態が続き、人材需要は低調な状況が続くことが見込まれる。このような状況下で、生産計画に応じた柔軟かつ迅速な人員確保や人材の定着が求められているため、多様な雇用形態や就業ニーズに対応したサービスの構築に注力したという。
一方で、求人媒体などのコスト上昇により、費用対効果が低下傾向にあり、募集費効率は悪化しているが、応募から入社に至るマッチング率の向上や日系ブラジル人の派遣活用を進めることで、採用単価の引き下げを図ったという。
今後は、業界特有の生産変動に対応する短納期での大規模動員という人材ニーズと、高賃金で即日働きたい求職者のニーズをマッチングさせ、自動車業界でのシェアアップを目指す。
セミコンダクター事業は利益成長
主に半導体業界の製造業向けの人材サービスを提供するセミコンダクター事業は、売上高は、先端プロセスやメモリ向け設備への投資が人材需要を支え、281億5900万円で前年同期比2.6%増となった。
セグメント利益は、派遣における請求単価交渉や請負職場からの人員配置の適正化を進めたほか、採用する母集団の見直しなどの採用プロセスの効率化、エンジニア育成基盤の構築、営業活動の強化に取り組むことで27億6600万円の前年同期比28.9%増と大幅に伸長した。
今後は、全国的に不足している半導体人材の確保・育成を行い、業界横断的な人事制度構築とエンジニア人材育成により、中長期的な人材ニーズに応え、半導体業界でのシェアをさらに高めることを目指す。
エージェント事業は減収も利益率改善
主に地方の中小企業向けの人材サービスを提供するエージェント事業は、売上高が474億4900万円で前年同期比6.6%減となったが、セグメント利益は15億9900万円の前年同期比66.6%増と大幅な増益を達成した。
同セグメントでは、新たに開始した職業紹介サービスの立ち上げに注力し、自社雇用の求人紹介だけでなく、顧客での直接雇用や同業他社の求人の紹介も行うことで、求人案件数を大幅に増やした。加えて、製造派遣マーケットの規模と現在のシェア別にエリアを分類し、営業活動の強化と効率化を進めたという。
なお、第3四半期連結累計期間に、顧客企業に最適なサービスを提供するため、顧客企業の一部の派遣元をエージェント事業に属する事業会社からモーター・エナジー事業及びセミコンダクター事業に属する事業会社へ移管し、これに伴い約1100名の技術職社員が転出した。
今後は、顧客企業での直接雇用などの多種多様な仕事を紹介することで、応募マッチング率を向上させ、事業成長と収益性の向上を目指す。
ネクストキャリア事業は再編を進める
ネクストキャリア事業は主に富士通グループ、日立グループとの合弁会社で構成されており、大手グループ企業の構造改革に伴う人材の受け入れ、および人材派遣・業務請負サービスなどの提供を行っている。
セグメントの売上高は、一部取引先での人員削減等による技術職社員の減少で減収となり、109億9900万円で前年同期比6.1%減、セグメント利益は4億2400万円で、前年同期比5.3%減と減収減益となった。
同社は、こうした状況に対して、電力設備関連の新規大型案件の受注獲得およびその採用を強化しているほか、収益性改善のための組織再編も行っている。今後は、これまで受け入れた人材がスキルを活かせる職場を提供し、企業横断で労働力の最適な配分を行うことを目指すという。




