メールを書きながらチャットに返信する。会議に参加しながら、メモを書く。たいていの場合、誰だって複数の事柄を同時に進めている。アジャイルなツール活用が増加するなかで、小さなマルチタスクは増加する傾向にある。マルチタスクは同時に事柄を進められる一方で、実際には高速に意識を切り替えている。個々のタスクを細やかに分析せずに小さなマルチタスクをアジャイルに敢行していくと、ミスや負担が増加する。

多くのプログラミング言語を用いてバングラデシュでWebやソフトウェア開発を行うSumonta Saha Mridul(GitHub)さんは、最近あったできごとを紹介している。プログラミング以外に動画配信も継続的にこなしている彼は、2つのYouTube動画作成を行っていた。

  1. Geminiでより良い画像を生成するためのプロンプトの書き方
  2. LinkedIn活用のためのチップスやヒント

まったく異なる内容の動画だがタイトルやデータと動画の内容を入れ子にして公開直前に友人のチェックでこれを防いだという話。

YouTubeの動画公開には、作成した動画のアップロードとは別に付随するメタ情報などテキストで書き込む必要がある。前日にGeminiに関する動画をYouTubeアップロードし、Gemini動画のメタデータを完成させる前に、LinkedInのコンテンツ作成に1~2時間取り組んでいたのだが、"同時に2つの異なるテーマ に取り組んでいることを脳がまったく気がついていない"。急ぐこと無く十分余裕を持って取り組んでいたにもかかわらずと振り返る。

プログラマーとして多くのプロジェクトに関わり、コントリビュータとして表彰される実績もあるSumonta Saha Mridulさんだが、マルチタスクで素早く仕事を切り替えても、頭のなかでコンテキスト(作業を進めるために頭が保持している情報)を切り替えるには負担がかかり、時にはマージしてしまうと。そして、今回のことがソフトウェア エンジニアの製品リリースのような場合だったら?とその危険性を想像し、マルチタスクよりも、注意力と集中力の方がはるかに重要だと指摘している。

職場や組織でもこれに似たようなことがあると思った人も多いのではないだろうか。小さなタスクだと意に介さずに、マルチタスクを増加させていくと破綻が多くなり、修復できなくなる危険もある。個々のタスクには注意/集中力の優位性を確保、組織のプロセスにはPDCAのようなチェック/改善のサイクルを備えることの重要性も認識しておかなければならない。