
2月8日投開票の衆院選を巡り、与野党各党は消費税負担の軽減を公約に掲げている。争点の一つとなっているのが、食料品の消費税減税だ。
「飲食料品は2年間に限り消費税の対象としない」(自民、維新)、「恒久的な食料品消費税ゼロ」(中道)、「一時的に5%減税」(国民民主)、「5%に減税、その後廃止」(共産)、「さっさと廃止」(れいわ)、「段階的に廃止」(参政)─。
実現性はともかく、各党がこうした公約を掲げるのは、円安や原材料価格の上昇により、生鮮食品や加工食品の割高な状況が常態化して家計を苦しめていることが背景にある。
農林水産省が公表した1月12日~18日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムあたりで前週より16円(0.4%)高い4283円だった。4000円台は20週連続。2025年産米は供給過剰とされるものの、いつ値下げに転じるか不透明だ。
同省の1月の食品価格動向調査によると、鶏卵の全国平均小売価格(サイズ混合、1パック10個入り)は306円で、前年同月を37円(13.8%)上回った。2024年秋以降に発生した高病原性鳥インフルエンザにより、鶏の殺処分が相次いだことで供給量が減少した。生産力の回復には一定の時間がかかり、「物価の優等生」とされる鶏卵でも、25年8月以降は300円を超える高値水準が続いている。
鈴木憲和・農水相
1月23日の記者会見で、食料品の消費税ゼロが実現すれば消費者が品物に手を伸ばしやすくなる一方、価格差が拡大して外食離れなどの懸念があるとの記者の問いかけに対し、鈴木憲和農水相は「各党の政策にコメントする立場にない」と述べるにとどめた。
食料品の消費税減税を巡る各党の公約は、短期決戦に向けて急ごしらえで打ち出された感が否めない。衆院選後の勢力図がどうなるかは現段階で見通せないものの、国民生活を豊かにする制度設計が必要だ。
