富士通と明治は2月12日、将来の低栄養やフレイル(病気ではないが加齢により筋力や心身の活力が低下した虚弱な状態)のリスクを予測する指標「rRAFU(Rapid Risk Assessment Tool for Future Undernutrition Status アールラフ)」の社会実装に向けた実証実験を、神奈川県川崎市在住の60歳以上の市民を対象に2月より開始することを発表した。

今回の実証実験では、富士通の持続可能な健康管理をテクノロジーで実現するAIによる行動変容を支援するサービスに、明治らが手掛けた「rRAFU」を実装したセルフケア支援アプリを活用し、参加者のフレイル予防における「rRAFU」と行動変容の促進の有効性を検証する。

  • サービス全体像

    サービス全体像

実証実験の背景

日本では高齢化の進行に伴い、要介護状態につながるフレイルや低栄養への対策が社会的な課題となっている。特に低栄養は自覚されにくく、気づいた時にはフレイルが進行している場合も少なくはない。

これまでの介護予防施策においては、身体機能の低下が顕在化した後に対応するものが多く、将来のリスクを早期に把握し、個人の生活に即した改善行動につなげる仕組みが不足していた。また、リスクを提示するだけでは行動の継続につながりにくいという課題もある。

明治は、食と栄養の研究を通じて健康に向き合ってきた中で、日常生活で無理なく取り組めるセルフケアの重要性に着目している。そこで明治と富士通は、近い将来に低栄養やフレイルになるリスクを可視化し、一人一人が自ら選び、行動につなげる仕組みを社会実装することで、未病の段階からフレイル予防に貢献したいと考え、実証実験を開始する。

将来の低栄養・フレイルリスク評価指標「rRAFU」

「rRAFU」は13項目の質問に回答するだけで、将来(約2年後)の低栄養・フレイルリスクを把握できる指標だ。評価指標に関する商標および著作権は、明治ホールディングスと明治が保有する。

低栄養やフレイルリスクと関連の深い栄養関連・食事状況・身体活動・食関連QOL(Quality of Life)の4領域で、計13項目の質問から構成されており、回答結果に基づく合計スコアによって潜在的な低栄養・フレイルリスクの有無を評価する。この指標は、女子栄養大学 新開省二教授を中心とした関係機関による研究を通じて開発された。

明治と富士通が構築したセルフケア支援アプリ

セルフケア支援アプリは、富士通のAIを活用した行動変容を支援するサービスを基盤に、将来の低栄養・フレイルリスク評価指標「rRAFU」を組み合わせて開発された。

参加者は「rRAFU」の質問に回答し、その結果を通じて自身の将来の低栄養・フレイルリスクを把握するとともに、アプリが提案する食事や運動などの生活改善プランを自ら選択し、日常生活の中で実行する。

アプリは富士通のAI技術を活用しており、参加者自身が行動の記録や振り返りを通じて、無理なくセルフケアに取り組める仕組みを提供するとのことだ。