伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2月9日、三菱総合研究所(MRI)と共同で、次世代通信基盤「オール光ネットワーク(APN)」と分散型データベース「TiDB」を組み合わせた分散型データセンターの実現に向けた検証を実施したと発表した。この検証をうけ、電力消費を抑制しながら、データ処理能力を高める次世代インフラの構築を目指す。
データセンターの分散配置における通信遅延という課題に挑む
今回の検証は、AI活用の拡大に伴い電力需要が増大する中、環境負荷の低減や災害対策を目的としてデータセンターを分散配置する動きが進む一方、距離に伴う通信遅延が課題となっていることを背景に実施された。APNは、光信号を活用することで低遅延/大容量/低消費電力を同時に実現する通信技術で、将来の情報通信基盤を支える技術の1つとして注目されている。
検証では、APN環境上に約70km圏内で2つの仮想データセンターと3つのリージョンを構築し、オープンソースの分散型SQLデータベース「TiDB」を用いてデータ分散処理の動作を確認した。MRIは総務省からの委託を受けてオール光ネットワークの簡易実証基盤を構築し、ユースケース創出に向けた検証をCTCに依頼したという。今回構築された3つのリージョン間では、データベースの更新データが遅延なく同期されることを確認したという。
今回の検証の成果は、低遅延通信が可能なAPN環境において、TiDBが複数リージョン間で正常に動作し、データ更新時の同期処理が遅延なく行われることを確認したという点にある。また、リージョンの一部に障害が発生した場合でも、他のリージョンでサービスを継続できる冗長構成の有効性が確認されたとしている。
検証を行った期間は、2025年10月22日から28日までで。今回の検証で得られた成果を含め、今後同社はダークファイバーを活用した長距離伝送の検証や、実運用を想定したシナリオに基づく評価を進める予定だ。

