【財務省】総選挙を前に為替市場けん制 遠のく財政再建に諦めの声

2月8日投開票の衆院選前から円安株高の「高市トレード」が進んでいたのが一転、1月26日には外国為替市場の円相場が1ドル=153円台後半となるなど、160円目前の円安水準から急騰した。日米の金融当局が為替相場の水準を照会するレートチェックを行ったとの観測が広がり、介入に向けた準備に入ったとの見方が浮上したためだ。

 選挙期間中に政府が為替介入に踏み切れば、金融市場に政治的な思惑ありきの印象を与えかねない異例の対応になりそうだ。円安進行が止まれば主因である物価高を和らげる効果が期待されるが、財務省内では「介入しても円安修正の効果は一時的。片山大臣の手柄にされるだけだ」(幹部)との警戒感がくすぶる。

 片山さつき財務相は同日、米国との協調介入の可能性について「現時点で申し上げられることはない」と述べるにとどめたが、財務省の三村淳財務官は「日米財務相共同声明に沿って、必要に応じて米国当局と緊密に連携しながら適切に対応したい」と強調。

     

      片山さつき・財務相

 25年9月に日米両国がマクロ経済や為替に関する共同声明を交わしたことに改めて言及し、市場をけん制した形だ。

 為替問題では表向き、日米で共同歩調をとっているが、米国の本音は少し違うかもしれない。高市早苗政権の「責任ある積極財政」に対する債券市場の疑念は根深い。衆院選では与党優勢が伝えられており、日本での財政再建は遠退くとの見方が強い。

 財務省幹部は「高市首相、片山財務相が続く間は、歳出改革は不可能」と諦め顔だ。

【どうなる?高市政権の経済対策】マーケットコンシェルジュ代表・上野泰也