消費減税と安全保障を重要政策に 『国民の信任』を取りに行く高市首相

主導権を握るには「安定多数」

 衆院解散・総選挙に踏み切ることを表明した高市早苗首相(自民党総裁)は「政策実現のためのギアをもう一段上げていきたい」と解散理由を語る。

 同氏は政策の本丸として「責任ある積極財政」と、①食料安全保障と経済安全保障の確立などの「危機管理投資」、②基礎研究分野を含めた人材力や研究開発力の強化といった「成長投資」の2つを柱に据える。

 その中で「重要な政策転換」となるのが「時限的な飲食料品の消費税ゼロ」だ。消費税減税は中道改革連合や国民民主党など各党が掲げており、消費税減税に慎重だった自民党の方針転換は衆院選の「争点隠し」ともされるが、高市氏は「私自身の悲願でもあった」と訴える。

 ただ、飲食料品の消費税をゼロにしたら年5兆円規模の税収減となる。高市政権が基礎的財政収支(プライマリーバランス)の単年度黒字化目標を撤回したこともあり、財政悪化への懸念は広がる。高市氏は補助金や租税特別措置の見直しなどを財源に充てる考えを強調しており、社会保障・税の一体改革を議論する「国民会議」を衆院選後に開き、具体的な財源や開始時期などの検討を加速させる。

 国民会議の議論を主導するためには、衆院選で自民党と日本維新の会の与党で過半数(233議席)だけでなく、17ある衆院常任委員会の委員長ポストを独占して安定した国会運営ができる安定多数(244議席)を確保できるかが焦点となる。

 高市氏が財政の次に掲げる重要政策が「安全保障政策の抜本的強化」。国家安保戦略など安保3文書の前倒し改定やインテリジェンス機能強化のための国家情報局の創設などを確実に進めていく方針を強調。台湾有事などが懸念される中で、安保3文書の前倒し改定などは自維連立合意書にも盛り込まれている。

 高市氏は「批判を恐れることなく果敢に挑戦していくには、政治の安定も必要だが、国民の皆様の信任も必要」と語る。2月8日の投開票日までに国民の支持をどこまで得られるかだ。

 高市氏には政策の具体像を分かりやすく説明する発信力と日本のリーダーとして改革をやり抜く覚悟と情熱が問われる。

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