エヌ・ティ・ティ エムイー(以下、NTT-ME)は1月30日、AI・クラウド時代のニーズに対応し、データセンター間を高品質かつ低遅延で接続するネットワークサービス「Japan Premium Direct Connect AllPhotonics Connect powered by IOWN」(以下、JPDC All-Photonics Connect)の提供を開始することを発表した。

サービス提供の背景と目的

NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 星拓磨氏は、データセンター間通信市場の動向について、「近年のAIおよびクラウドの急速な普及に伴い、データセンター間の通信量は今後5年間で約2倍に拡大すると見込まれている」と説明した。

  • エヌ・ティ・ティ エムイー NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 星拓磨氏

    エヌ・ティ・ティ エムイー NTT-ME 通信キャリア&データセンタビジネス部 星拓磨氏

また、都市部では電力のひっ迫や災害リスク分散の観点から、データセンターの地理的分散やネットワークインフラの強化が急務とされるという。

同一事業者内のデータセンター間接続は各事業者で整備が進む一方、事業者をまたぐ接続は、設備仕様や契約体系の違いにより調整負荷が大きい場合も多い。

星氏は、「ネットワークのニーズが多様化する中で、より高速かつ広帯域なサービスの必要性や短納期でのサービス提供など、これまでデータセンター間のメインソリューションとして提供していたネットワークサービスでは満たしにくい要件も増えている」と述べた。

  • データセンター間通信の市場動向

    データセンター間通信の市場動向

こうした市場動向を踏まえ、同社がこれまでに培った通信基盤やエンジニアリング力などの技術を活用し、より柔軟で高付加価値な次世代ネットワークサービス「JPDC All-Photonics Connect」の提供を開始する。

APNを活用したDC間接続サービス

今回提供を開始するJPDC All-Photonics Connectは、NTTグループが推進するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想のAPN(All Photonics Network)技術を活用し、データセンター間を高品質かつ低遅延で接続するネットワークサービス。

星氏は、「APNにより事業者間のデータセンターを接続するレディメイド型のネットワークサービスは国内初」と語った。

自社の光ファイバーなどを活用し、まずは東京都内の主要データセンター間で自社設備によるサービスの提供を開始する。将来的には東京とデータセンター集積地の間など、長距離区間への展開も視野に入れるとのことだ。

複数の異なる事業者のデータセンター間を接続する既設の高品質ファイバーを活用して、自社だけでなく、他事業者のデータセンター間もレディメイドで設備を構築することで、短納期でのサービス提供を可能としている。

  • 「JPDC All-Photonics Connect」の概要図

    「JPDC All-Photonics Connect」の概要図

「JPDC All-Photonics Connect」のサービス仕様

JPDC All-Photonics Connectは、Point to Point型ネットワークサービスとして、10ギガビット / 秒または100ギガビット / 秒を提供する。将来的には400ギガビット / 秒も提供予定。

インタフェースは10GBASE-LRまたは100GBASE-LR。帯域保証、リンク断転送など高品質な通信機能を備え、データセンターハウジングや構内配線も含めたワンストップでの提供が可能。

また、データセンター内にネットワーク装置をレディメイドで構築することで、短納期での提供も実現している。

今後の展望 - 「JPDC AI Container」との接続も計画

同社は今後、JPDC All-Photonics Connectを自社設備サービスとして、都内の他データセンターへの拡大や、東京-データセンター集積地(印西など)間の長距離区間、さらには需要の高いエリアのデータセンター間へと順次展開を目指す。

また、自社設備によるサービスだけではなく、他社設備によるサービスをAPNのラインアップに順次追加し、柔軟かつ高付加価値のネットワークを提供する。

同社は今年10月にコンテナ型データセンター「JPDC AI Container」を発表したが、星氏によると、JPDC All-Photonics Connectで「JPDC AI Container」とデータセンターを直結する構想の実現を目指すという。

  • 今後の展望

    今後の展望