【2026年をどう占いますか?】 答える人 東映社長・吉村文雄

 日本のコンテンツ業界の成長の鍵はアニメ

 ─ 手代木さんからは独自の強みを生かして自社の使命と役割を全うする決意が語られました。日本が世界から注目されているエンタメ産業を盛り上げている東映社長の吉村文雄さん、26年をどう予測しますか。

 吉村 25年度は興行市場全体の業績がコロナ禍前を上回り、全体興収は過去最高となる2650億円に届くペースです。グループ会社の東映アニメーション、売上1000億円を超える状況です。アニメが今の日本のIP(知的財産)、コンテンツ業界を牽引しています。

 現状、日本のアニメに対する期待値は世界中で高く、ファンも確実に増えています。世界におけるアニメ需要をより一層拡大させていくために、業界全体でどう総合的にマネジメントしていくかが、今後の産業の成長を決めることになると考えます。

 拡散力のある配信メディアについても、今は外資の大型プラットフォーマーに市場を握られている状況ですから、海外への配給・配信体制を日本独自で構築することも業界を挙げて考えていくべきだと思います。

 ─ 協力的基盤を作りながら、しっかり稼げる日本の産業にしていくということですね。

 吉村 ええ。アニメは大半の作品がコミックスを原作にしていますから、出版社をはじめとした他業界の方々を巻き込んで、コンテンツを総合的にどう世界に出していくかが重要です。

 問題となっている日本のIPの海賊版対策においては、私が理事長を務める団体・CODA(コンテンツ海外流通促進機構)で、成果が出てきています。

 コンテンツを世界に出していく際には、正規コンテンツの流通と海賊版の低減を両輪で行い、知的財産を守りながら拡大していくということも重要だと考えています。われわれとしては、アニメだけではなく、実写作品も今後世界へ展開していきたいと常々考えています。

 ─ インバウンドによる映画界への影響はありますか。

 吉村 以前と比較して日本文化をご存知の方がすごく増えたと感じます。私どもが運営する京都の「東映太秦映画村」では、お客様の4割がインバウンドの日もあるなど、面白い現象が出てきています。

 26年3月には第1期工事が完了し、リニューアルオープンします。従来のファミリー層だけでなく、今後は大人もターゲットに据えて、江戸時代へのイマーシブ体験を提供する施設へと生まれ変わります。