Denodo Technologiesは1月28日、2026年の国内事業戦略に関する記者説明会を開催した。同社が提供している、データ仮想化を活用したDenodo Platformは、論理的なデータ統合、データ管理、データ配信を行うソリューション。AI向けのデータ基盤として、引き合いが増えているという。

2026年の重点施策の3つの柱

リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャー 中山尚美氏は、「これまでと基本路線はそれほど変わらない」としながらも、最近は生成AIにまつわるニーズが高まっていると話した。

  • Denodo Technologies リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャー 中山尚美氏

    Denodo Technologies リージョナル・バイスプレジデント&ジャパン・ゼネラルマネージャー 中山尚美氏

中山氏は、3つの観点から2026年の重点施策について説明した。まず、顧客の課題に対する対応強化として、「経営課題の解決」「生成AIの機能を強化したライセンス提供」「業務に直接影響があるユースケースの創出」に取り組む。

Denodo Platformは最上位のライセンスを購入することでAIに関わる機能を利用できるが、アップグレードするユーザーが増えているほか、新規のユーザーは最初から最上位のライセンスを購入するとのことだ。

また、昨年に全社規模で導入しているANAとJR西日本が同社のイベントで事例を紹介したところ、大きな反響を呼び、関連企業で導入が検討されているという。そこで、2026年もこうした業務に大きな影響をもたらすユースケースの創出に取り組む。

次に、既存の顧客に対しては、ユーザー会など顧客同士のコミュニケーションの場を増やす。具体的には、少人数でユーザー同士が情報交換を密に行える場を昨年以上に設けるという。

最後に、パートナーについては、既存のSIパートナーとの連携強化、AWSを中心としたクラウドサービスプロバイダー(CSP)との連携強化を継続する。

パートナービジネス拡大とエコシステム強化

パートナービジネスの戦略については、パートナービジネス戦略部長 赤羽善浩氏が説明を行った。パートナービジネスにおいては、SI/販売パートナー(ITベンダー)、CSP、テクノロジーパートナーそれぞれとの連携を強化する。

  • Denodo Technologies パートナービジネス戦略部長 赤羽善浩氏

    Denodo Technologies パートナービジネス戦略部長 赤羽善浩氏

SI/販売パートナーに対しては、「パートナー社内での認知度向上」「同社とパートナーの営業間の密な連携」「AI連携」などに取り組む。

CSPに対しては、クラウドサービスのマーケットプレイスでの購入が増えていることから、販路の拡大を目指す。CSPの中でもAWSとの連携を強化しており、AWS SageMaker、Bedrock、Azure OpenAIなどを有効活用するという。

テクノロジーパートナーに対しては、AI関連の連携に注力する形で、エコシステムの形成と拡大に取り組む。赤羽氏は、テクノロジーパートナーにおいて連携強化に注力している企業として、データレイクハウスを提供しているSnowflakeとDatabricksを挙げた。こうした企業との連携により、既存の製品を活用できるというメリットが生まれる。

  • Denodoのテクノロジーパートナー

    Denodoのテクノロジーパートナー

また、2025年にはNECとデジタルフォンが新たにSI/販売パートナーに加わった。NECはクライアントゼロとしてDenodoを活用しており、自社での利用からメリットを把握してそれを武器に販売することを狙っている。

AIエージェントの導入を容易にする「「Denodo VDP MCP Server」提供

テクニカルセールスディレクターの三浦大洋氏は、Denodoの機能拡張のポイントとして、AI連携強化について説明した。Denodoの現在のバージョンは9.3で、次期バージョン9.4が2月に正式リリースされる予定で、AI連携機能が強化されるという。

  • Denodo Technologies テクニカルセールスディレクター 三浦大洋氏

    Denodo Technologies テクニカルセールスディレクター 三浦大洋氏

三浦氏は、AI活用を妨げる要因は「データ不足」「データのサイロ化」「柔軟性に欠けるETLパイプラインやデータレプリケーションによって運用されていること」であり、これを解決するのが論理データ基盤だと指摘した。

「データが不足している背景には、安全かつ管理された形でデータにアクセスできないことがある。その結果、モデルの精度が低下し、文脈の欠落やハルシネーションを増加させている。また、データがサイロ化していると、AIが最新のデータが使えず、過去のデータに基づいて行動することになる」

DenodoはAIがデータを理解する上で重要なメタデータを付与した形でデータを管理でき、論理データを提供するのでデータのコピーが発生しない。

また、AIモデルや外部アプリケーションとDenodo Platformを連携させるためのインタフェースとして、「Denodo VDP MCP Server」を提供する。具体的には、AIクライアントがDenodo Platformデータモデルを理解し、自然言語の質問から正確なSQLを生成してクエリを実行するためのサービス提供を実現する。

MCP Serverがあれば、AIエージェントを簡単に導入できるとともに、複数のAIエージェントの導入にも対応する。

  • 「Denodo VDP MCP Server」は複数のAIエージェント導入を容易に実現する

    「Denodo VDP MCP Server」は複数のAIエージェント導入を容易に実現する