【財務省】円安進行は選挙にどう影響? 手腕が試される片山大臣

高市早苗首相が1月19日、衆院解散・総選挙の実施を表明し、金融市場では円安株高の「高市トレード」が加速している。政府は2026年度予算案で物価高対策を盛り込んだが、円安は国民の暮らしにかかわる生活用品の値上がりの主因であるため、景気への影響に加え、衆院選になれば与党に逆風になりかねない。

 一方、日中関係は中国当局による重要鉱物の対日輸出規制に発展し、日本経済を取り巻く環境は厳しさを増す。首相の”右腕”を自認する片山さつき財務相の手腕が試されそうだ。

 12日、訪問先の米国で片山氏はベッセント米財務長官と会談。会談後の記者会見で片山氏は円安進行に関し「一方的に円安が進む場面が見られ、非常に憂慮している」と会談で伝え、ベッセント氏と懸念を共有したと明らかにした。

   

    片山さつき・財務

   

片山氏に同行した三村淳財務官も、日米両国の財務官レベルで為替の変動に対し連携を密にしていく旨を記者団に語った。

 政府として急激な円安に口先介入を強めた形だが、高市政権では低金利の長期化や、日本経済の課題である歳出改革や労働市場改革は遠のくとの見方から、市場では円安基調が続くとの見方が多い。

 実際、26年度予算案は減税分の充当に向けた財源確保の議論はほぼ置き去りにされた。片山氏の就任当初は主計官出身なこともあり財政規律への配慮に期待する声があったが、実際は「真逆だった」(財務省幹部)という。

 ある幹部は、片山氏について「主計官としての実務はほぼやったことがないし、官邸や与野党との調整も未経験。なのに、ありもしない金額を直に複数の閣僚に言いふらしていた」と明かす。積極財政派の高市首相がむしろ片山氏の”大判振る舞い”に驚いていたと伝わる。

 片山氏は高市首相と並び政府の女性活躍の象徴的な存在でもあるため、衆院選で与党が敗北しない限りは続投が濃厚だ。

 ただ、26年度税制改正と予算編成で片山氏の調整能力に対しては与野党内で疑問符がついた上、片山氏の実績と呼べるような政策も現時点で見当たらない。場当たり的な対応では円安進行を食い止めるのは難しく、政府には手詰まり感が強まっている。今こそ片山氏の真価が問われていると言えそうだ。

【どうなる?高市政権の経済対策】マーケットコンシェルジュ代表・上野泰也