再使用型ロケットの洋上回収の実現に向け、日本郵船と、海洋スタートアップのOceanic Constellationsが、洋上回収の統合シナリオ検証システムの開発に関する契約を2025年12月1日に締結。Oceanic Constellationsは、日本の宇宙開発インフラ構築事業へ参入する。
日本郵船が宇宙戦略基金において推進する「再使用型ロケットの洋上回収船の研究開発」で両社が協業することを前提とした開発契約。Oceanic Constellationsが2025年6月に発表した、両社の協業覚書締結から発展し、本格的な共同開発に合意したかたちだ。
Oceanic Constellationsは鎌倉発の海洋スタートアップ企業で、宇宙やITなど多様な分野出身のメンバーが集結して2023年11月に創業。多数のUSV(無人水上艇)を海洋上に配置し、センサー・通信ネットワークを構築することで24時間365日の常時海洋モニタリングを可能とする、USVコンステレーションプログラム「海の衛星群」の開発を推進している。
海の衛星群の社会実装に向け、同社では独自技術として、リアルタイム物理演算と描画処理を可能にする3次元デジタルツイン「MARDS」(Maritime Advanced Realtime Dynamics Simulator)を開発。さまざまな環境条件や輻輳含めた海洋状況をシステム上に設定し、現実世界における事象の発生頻度に拠らず、リスクシナリオを網羅的に検証する機能を備える。
再使用型ロケットの洋上回収技術だけでなく、宇宙輸送インフラの洋上利用に欠かせないとの認識に至ったことから、両社はMARDSの機能をコアとした統合シナリオ検証システムを開発することにしたという。
Oceanic Constellationsは、海の衛星群による海洋状況把握システムの提供や、MARDSを用いたデジタルツインによるシナリオ検証などを提供し、宇宙輸送インフラの洋上利用実現に寄与するとしている。同社は創業当初より「海洋から宇宙を接続する結節点となる」構想を掲げており、今回の日本郵船グループとの協業実現でその実現を加速させていく。
なお、今回の取り組みにおけるMARDSを始めとしたOceanic Constellationsのデジタルエンジニアリング技術は、同グループの造船会社・京浜ドックとの提携においても活用。小型USV量産における造船技術の導入や、この取り組みによるデジタルエンジニアリングの造船業への導入といった相互作用により、製造プロセスの革新や高度人材導入などを実現していくとのこと。


