日本の成長に構造改革は不可欠 【私の雑記帳】

経営改革の主役は「人」

 デジタル時代のイノベーションをどう進めていくか─―。

「デジタル時代のイノベーションを牽引するのも人ですし、経営改革をやるのも人ですし、社会運営のデジタル化を進めるのも人」と話すのは政策研究大学院大学学長の大田弘子さん(元経済財政担当大臣)。

 長年、日本の成長戦略づくりに携わってきた大田さんは、「日本経済を強くするには、やはり構造改革は避けて通れない」と語る。

 税制面での研究開発支援や賃上げ支援などはすぐ効果が出るもので、誰も「反対」しない。ただ、政府が民間の活動を妨げているものを取り除くという規制改革は簡単には進まない。

 既存制度の中で利益を得ている層の反発があって、という例は枚挙にいとまがない。

 こうした日本の現実を踏まえて、今、日本の成長戦略に必要なのは、「労働市場の改革だと思うんです」と大田さんは語る。

「雇用の流動化、産業の新陳代謝。これをセットでやっていくことも大事」と大田さんは強調。これらを実行していくには、政治、経済のリーダーの覚悟が必要。

 時代の変化は激しい。環境の変化に合わせて、成長できる分野に移行していけるような制度設計が必要である。

「製造業も、モノを売ってマージンを稼ぐというモデルは成立しにくくなっていますよね。もうサブスクリプションだったり、企業にソリューションを提供して稼ぐとか、サービスやソフトウェアが収益源になっていますよね。だから無形資産への投資が収益のカギになってきています」

 覚悟と使命感が日本の成長を支えていく。

冨山和彦の【わたしの一冊】『東大生に教える日本史』