【経済産業省】25年度補正予算が成立 物価高対策や経済安保に重点

2025年度補正予算が12月17日に成立した。一般会計歳出の総額は18兆3034億円。コロナ禍対策などに巨費を投じた20~22年度を除き、過去最大の規模に膨らんだ。そのうち、経済産業省は総額2兆7千億円の関連予算を盛り込んだ。

「生活の安全保障・物価高への対応」、「危機管理・成長投資による強い経済の実現」、「防衛力と外交力の強化」の3つが柱となる。

「生活の安全保障・物価高への対応」には、1兆3570億円を計上。最も予算額が大きいのは電気・ガス料金補助の5296億円で、寒さの厳しい冬への対応として1~3月の電気・ガス料金を支援する。平均的な1世帯当たりの負担軽減額は計7300円程度となり、今夏(3千円程度)から拡充する。

「危機管理・成長投資による強い経済の実現」には1兆1634億円を確保。経済安全保障に関わるサプライチェーン(供給網)の強靱化を支援する。経済安保ではレアアース(希土類)などの供給源確保には937億円を計上。中国による輸出停止措置などに備えるため、国家備蓄の強化を図る。レアアース以外の重要物資のサプライチェーン(供給網)強化では、昨年度51億円だった予算を大幅に強化し、466億円を支出する。また、無人航空機と人工衛星、ロケット部品の国内生産を後押しする基金を新設し、設備投資などへの支援を行う。

 成長投資では、フュージョン(核融合)エネルギーに200億円を計上し、30年代の発電実証を目指してスタートアップ企業などの取り組みを支援する。量子コンピューターの開発や環境整備には昨年度比で2倍の規模となる1004億円を支出。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を通じ、民間企業や大学などに補助金を交付する。

 グローバルサウス(新興・途上国)との経済関係強化には1546億円を負担し、日本企業の新規市場の開拓を支援するほか、同予算にはウクライナ復興支援も含まれている。

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