【財務省】「構造的な問題に起因」日銀利上げでも円安の恐れ

自民党と日本維新の会が12月19日に決定した2026年度税制改正大綱には「年収の壁」の引き上げなど減税政策が多く盛り込まれ、高市早苗首相は物価高対策としての成果と強調するが、今後、思惑通りに進むかは予断を許さないだろう。

 というのも同じ日、日銀が政策金利を約30年ぶりの水準となる0.75%程度への引き上げを決めた後、欧米の投資家が市場に参加する夜にかけて円安が進み、「政府の物価高対策を相殺しかねない」(財務省幹部)展開だからだ。

 片山さつき財務相は19日夜、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後記者団の取材に対し、足元の円安に関して「一方向で急激な動きがこの半日、この数時間明らかにあるので憂慮している」と言及。日銀が利上げを決めた直後2円近く円安が進んだ点について「安定的に推移することが望ましい為替相場の問題としてはちょっとなあと思っている」と述べた。

片山さつき・財務相

 また、日銀の今回の利上げ判断は評価しつつも、9月の日米財務相共同声明を踏まえ「行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとっていく」とけん制した。ただ、財務省内では「今の円安は日本経済の構造的な問題に起因している面があり、仮に為替介入しても一時しのぎにしかならない」(幹部)との声は根強い。

 一方、片山氏の就任当初、財務省内では「財政に精通し発信力もある」と期待する声は少なくなかった。だが、26年度税制改正や当初予算編成、診療報酬改定をめぐる政府と与野党調整の過程で片山氏は「省内の部下にほとんど相談しなかった」(主計局)といわれる。片山氏に対して、省内では冷ややかな声も出ているようだ。

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