ストックマークは1月21日、製造業の技術マーケティングおよび新規用途探索領域におけるソリューション強化を目的として、LIGHTzとの業務提携を開始したことを発表した。
暗黙知を形式知に、そして生成AI活用を促進
日本の製造業では現在、“技能継承”が極めて重要な経営課題となっている。技能継承を重要視しているものづくり企業が大半を占める一方で、実際にその継承がうまく進められているという実感を得ている企業は少ないという。さらに、将来的な技能継承については不安を抱えている企業が多く、現場の知見が失われてしまうことに対する強い危機感が表面化している。
中でも重要性が高まっているのが、自社が有する優れた技術資産を新市場や新規事業にどう結び付けるかを判断する「技術マーケティング」だ。どの技術がどの市場課題に適合するのかについては、長年の現場経験で培われた熟練者の勘所(暗黙知)に依存している現状があるといい、組織的な用途探索や市場開拓が進まないという課題につながっているとする。また、技術マーケティングを担うR&D・事業企画・マーケティング・セールスの各部門においては、社内の技術文書や膨大な社外の市場データを統合して戦略立案を行う際、ベテランの判断基準がブラックボックス化していることが、生成AI導入による業務変革への障壁となっていたとする。
そこで今回、国産生成AI基盤の独自開発や生成AIサービスの提供を行うストックマークは、熟練者が有する暗黙知の可視化・AI化技術(「汎知化」)を持つLIGHTzとの間で業務提携を開始。暗黙知を言語ネットワークとして可視化するLIGHTzの技術に、ストックマークの大規模言語モデル(LLM)およびデータ構造化技術を融合させることで、技術と市場ニーズをつなぐベテランの知見をAIに実装し、高度な用途探索・市場開拓を実現するとともに、製造業における“攻め”の意思決定や新たな価値創出を支援するとした。なお両社は具体的な取り組みとして、以下の6項目を挙げている。
業務提携を通じて行われる具体的な取り組み
- 技術マーケティング戦略の策定・業務変革コンサルティング
- 「技術」と「市場」をつなぐデータの構造化(SATの活用)
- 用途探索ロジックの形式知化(汎知化とブレインモデル)
- 技術マーケティング特化型「AIエージェント」の構築
- 日々の業務の中で蓄積する暗黙知の収集、組織知化
- 基幹システムの内製化支援
こうした取り組みでは、各企業の技術や市場特性を熟知したコンサルタントが、生成AIを起点とした業務プロセスの再設計を行うといい、社内に眠る膨大な非構造化データの解析によって、R&Dからセールスまでのバリューチェーンを俯瞰し、新たな価値創出につながる意思決定モデルを構築するとのこと。またストックマークのデータ構造化プラットフォーム「SAT」を活用し、独自の製造業に特化した視覚言語モデル(VLM)を用いて、社内の技術文書や図面を“AI-ready”の状態に整えるとする。そして同時に、過去の膨大なデータから収集・構造化された情報を活用して、顧客各社の技術と市場トレンドを紐づけることで、用途探索の精度を飛躍的に高めるとした。
この他にも、両社の強みを融合させる取り組みを深化させることで、属人化されたナレッジを組織の資産へと変換し、事業企画およびR&Dからマーケティング、そしてセールスまでの連携を強化するAI環境を提供していくとしている。
