東電の柏崎刈羽原発が再稼働へ 年間1千億円の収支改善効果

次なる焦点は7号機の再稼働に

 東京電力ホールディングス(HD)の悲願であった、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働が、年明け早々実現する見通しとなった。

「原子力発電所を運営する事業者として大変厳粛に受け止めている。国と新潟県からの要請を踏まえ、発電所のより一層の安全性向上と透明性の高い運営に務めていく」

 東京電力HD社長の小早川智明氏はこう語る。

 東電は柏崎刈羽原発6号機の再稼働に向け、原子力規制委員会に最終手続きとなる「使用前確認」を申請。1月20日に再稼働する方針を明らかにした。柏崎刈羽原発の再稼働は2011年3月の東日本大震災以降で初めて。順調にいけば、2月末にも営業運転を再開する方針だ。

 東電HDの2025年9月中間連結決算は、純損益が7123億円の赤字(前年同期は1895億円の黒字)となった。福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しなどで9000億円超の特別損失を計上したことが大きい。

 今後も東電には福島第1原発の廃炉・賠償費用が重くのし掛かるだけに、柏崎刈羽原発の再稼働は東電にとって頼みの綱。

 柏崎刈羽原発は現在、原子炉全7基が停止。このうち、東電は6、7号機の再稼働を目指しており、次なる焦点は7号機の再稼働に移る。1基の再稼働で年約1000億円の収支改善効果があるため、東電としては何としても再稼働にこぎつけたいところだ。

 データセンターや半導体工場の新増設で電力需要の急拡大が見込まれる中、産業界では原発再稼働を望む声は大きい。ただ、地元住民は、災害発生時の避難体制や安全対策、テロ対策などに不安を募らせている。また、そもそも電力会社に対する不信感も根強く、電力会社にとっては、今後も真摯な対応が求められる。

「福島への責任の貫徹、安定供給の両立の使命を果たせるよう、柏崎刈羽原発の安全最優先の取り組みを行動と実績で示してまいりたい」と話した小早川氏。東電再建の行方のみならず、日本のエネルギー確保という観点でも、今年は重要な1年になりそうだ。

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