購入後も追いかけてくる広告と私たちのWeb体験

購入した商品の広告が執拗にWebページに表示される経験をした方は少なくないだろう。すでに購入した商品を勧められ、「なぜ今さら」と苛立った経験を多くの人が持つはずだ。

現在のインターネット・コンテンツは広告というエコシステムに依存している。広告プラットフォームを提供するベンダーはさまざまな方法でユーザーの情報を収集し、ユーザーに対して効果的と考えられる広告の表示を行う。どこで情報を手に入れたのか不安になるほど、自分に関連する広告を表示してくる。

一方、広告はサイバー攻撃の足がかりとしても悪用されている。正規の手順にせよ、不正規の手順にせよ、ユーザーが興味を抱く広告を表示し、最終的にユーザーのPCにマルウェアを感染させ、そこから先はあまり楽しくない未来が待っている。

現在の主要なWebブラウザには、大小の差はあれど、広告を抑制する機能が実装されている。また、拡張機能を使って強力に広告をブロックすることもできる。快適なWebブラウザ体験を実現するため、以下、こうした設定や拡張機能を紹介しよう。

まずはここから:Chromeに備わる広告抑制機能

世界で最も広く使われているWebブラウザはGoogle Chromeだ。Chromeは、完全ではないものの、広告に関するちょっとしたブロック機能を提供している。デフォルトで有効になっているケースが多いが、まずはこの設定を確認しよう。

広告のポップアップ表示や、ユーザーを不要なWebサイトにリダイレクトする挙動を抑制

  • メニューから[設定]を選択し、[プライバシーとセキュリティ]→[サイトの設定]→[ポップアップとリダイレクト]を開く。デフォルト動作が[サイトにポップアップの送信やリダイレクトの使用を許可しない]になっていることを確認。なっていない場合には[サイトにポップアップの送信やリダイレクトの使用を許可しない]に設定する
  • [ポップアップとリダイレクト]の設定

    [ポップアップとリダイレクト]の設定

煩わしい広告や誤解を招く広告の表示を抑制

  • メニューから[設定]を選択し、[プライバシーとセキュリティ]→[サイトの設定]→[その他のコンテンツの設定]→[煩わしい広告]を開く。デフォルト動作が[煩わしい広告や誤解を招く広告が表示されることがわかっているサイトで広告がブロックされます]になっていることを確認。なっていない場合は[煩わしい広告や誤解を招く広告が表示されることがわかっているサイトで広告がブロックされます]に設定する
  • [煩わしい広告]の設定

    [煩わしい広告]の設定

なお、この2つの設定は広告を完全に排除するようなものではない。悪意ある広告を排除する基本的な機能だと考えておくとよい。

広告を徹底的に抑制するChrome拡張機能の選び方

Webページに表示される広告を抑制するには、アドブロッカーという種類のChrome拡張機能を導入するのが最も効果的だ。アドブロッカーにはいくつか候補があるが、ここではその強力さから次の2つを紹介する。

  • AdGuard 広告ブロッカー

    AdGuard 広告ブロッカー

  • uBlock Origin Lite

    uBlock Origin Lite

広告表示抑止の強力さで選ぶなら「AdGuard 広告ブロッカー」を、AdGuard 広告ブロッカーの動作が重いと感じるなら「uBlock Origin Lite」を試すところから始めるとよいと思う。これら拡張機能はインストールすることですぐに効果を発揮する。普段閲覧しているWebページから広告の表示が消えることを確認できるはずだ。

これら2つのアドブロッカーを試して要望に沿わなかったら、他のアドブロッカーも使ってみよう。いくつか試す中で、自分の要望にあった拡張機能を見つけてみればよい。

便利さと広告エコシステムの光と影

インターネットは広告収益でエコシステムが回っている側面が強い。このため、完全に広告を排除してしまうことには懸念がある。エコシステムが機能しなくなれば、当然インターネットを支えるさまざまなインフラが機能しなくなる。かといって、ユーザーのデータを可能な限り収集し、執拗に広告を表示し、ユーザーを消費へ誘導するやり方には問題がある。広告はバランスが重要であり、需要と供給を見据えた質のよいものが必要だ。

現状、インターネットには広告があふれている。アドブロッカーを導入したいと考えるのも無理はない。むげに強力なアドブロッカーを導入するのは考える必要があるが、特定の状況下では、アドブロッカーの導入は好ましい。例えば、業務で使用するPCのChromeに強力なアドブロッカーを導入することは理にかなっている。就業時間中は業務に集中すべきであり、煩わしい広告に目を惹かれたり、それに誘導されておかしな事態になることは避けるべきだ。