
柳井正さんの挑戦者魂
世の中は矛盾だらけだが、「矛盾を解決したら、チャンスがあるんじゃないですか」とは、ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正さん(1949年=昭和24年2月生まれ)の言葉。
起業家精神あふれる柳井さんの挑戦者魂は〝創業〟時から今まで、ずっと変わらない。1984年、35歳の時に郷里の山口県宇部市で父親から衣料品店を引き継いでから、『ユニクロ』をカジュアルウェアで世界3強の1つにまで育て上げた。
『ユニクロ』─。世界を相手に、ユニークなクロージング(衣料)を提供するという理念を〝創業〟時から持ち、常に新しいファッションを世界の消費者に届けるために、挑戦し続けてきた。
「うちの製品は長持ちします」と柳井さん。いい製品を開発し、新しいファッションを提供するのが基本姿勢だが、来年もまた着られるモノづくりも志向する。
一見、矛盾するように見えるが、そうしたサステナビリティ(持続性)を意識した柳井さんの根本理念を内外の消費者が受け入れているということである。
ファストファッション世界1位の『ZARA』(スペイン)、2位の『H&M』(スウェーデン)を追いかけて、ほぼ『H&M』と肩を並べる所まできた『ユニクロ』。〝創業〟から40年余が経ち、その間さまざまな試練があったと思うが、柳井さんは「試練とは思わなくて」と次のように語る。
異文化と触れ合うこと
「それはやっぱり、面白い、挑戦しようじゃないかという積極的な心というか、そういう気持ちを持ち続けたいと。気持ちは持ちようですからね。僕らは元々、小さい零細企業だったのが、こういうふうになれたというのは、挑戦し続けたからだし、そういうチャンスは誰にでもあるということですよ」
SPA(製造小売業)という業態を生み出し、最近は『情報製造小売業(Digital Retail Company)へと変身を図る同社。
製造面では、40年前、改革開放したばかりの中国の郷鎮企業(新興企業)で、信頼できる経営者と連携。世界中に商品を提供してきた。
国を越えて、互いに信頼し合える関係を構築しながら、これまでやってきた柳井さん。「自分たちが何者かというのは、異文化に出会わないとはっきり認識できない」という柳井さんである。